2010年2月26日金曜日

シナモン


スパイスの中で、かつてシナモンは最も貴重な樹皮と珍重されていた。
現在は、世界各地でこのスパイスは広まっている。時代を少し遡ってみると、シナモンは植民地の拡大競争に重要な位置を占めていた。

シナモン
Cinnamomum zelyanicum Nees

語源:ラテン語。 canna: アシ・ヨシ 又は 管・パイプ
ラテン語の Cinnamomum は、ギリシャ語の kinnamon:聖書のシナモン、から。
  Zelyanicum: セイラン(現在のスリランカ)原産を意味する。
  Nees: ドイツの分類学者 Nees Christian von Esenbeck より。

【薬効】
殺菌・腸内ガス排出の促進・消化促進・強壮・催淫などの効果がる。
冬に、インフルエンザ・風邪・悪寒、また熱のある体の節々の痛みのある時などに、体を温めてくれる。
呑気症や消化不良といった消化管のトラブルを緩和する働きもある。
血糖値の降下・下痢・吐き気・胃腸炎・高血圧・リューマチ・カンジタ症・感染予防にも有効。
*妊娠中に使用してはならない。

【利用法】
シナモンは料理・菓子類・薬品などなどに広く利用されている。

〈ワイン〉 シナモン      50g
       砂糖        150g
      バニラビーンズ   30g
      ワイン(ボルドー)  1L
ワインにシナモンを浸け、7日間おく。その後、シナモンを取り出し、砂糖・バニラビーンズを加える。

≪注意≫
シナモンのエッセンシャルオイルは、妊婦・授乳中の女性・幼児は使用禁止。
医師の助言・指示が必要。

2010年2月23日火曜日

生姜

古来より薬用・治療用にと利用されてきた生姜。
アーユルベェーダでは、生姜は万能薬として知られる。
中国漢方にも多く処方されている1つ。

生姜は定期的に食することで若さ・元気を保つと言われる。

生姜
Zingiber officinale Roscoe

語源:ラテン語。 zingiber:しょうが(これはサンスクリット語のZingabera:角の形をした、から来ている)

【薬効】
殺菌・食欲増進・腸内ガスの排出の促進・消化促進・解熱などの効果がある。
カゼや悪寒がする時などに、殺菌・解熱の治療薬として知られる。
生姜は性的無力症に効く催淫性スパイスとしても知られる。
又、乗り物酔い・吐き気・疝痛・腹部の冷え・末梢循環の不良などにも有効。
*皮膚炎・消化管潰瘍・高熱の患者には使用してはいけない。

【利用法】
〈お茶〉コップ1杯対して、ティースプーン1杯のおろし生姜。3分煮る。その後、生姜を取り出しハチミツで味を調節。このお茶は強いので、ゆっくり召し上がれ。

〈料理〉肉・魚料理・カレー・チャツネ・ピクルス・マリネなどに。
    又、乾燥粉末の生姜はケーキ・ビスケットにも。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用注意。
*過剰摂取は、腸内の痙攣を突発させる恐れがある。

2010年2月15日月曜日

イヌノイバラ(ワイルドローズ)

バラの花言葉は、『愛らしい』。
花の女王と言われるバラは、古来より儀式・薬用品・化粧品・香水などに利用されてきた。
クレオパトラは、美しさを保つ為に、毎日、摘みたてのバラでたっぷり満たしたお風呂に入っていたという。
第二次世界大戦時、スカンジナビアの人々は、柑橘類の供給に不足していた為、ワイルドローズの実であるローズヒップのジャムをビタミンCの補給に摂取していた。

イヌノイバラ
Rosa canina L.    俗名:ドッグローズ

語源:ラテン語。 rosa: バラ , canina: 犬
(昔、ワイルドローズの実は、狂犬病に効く解毒剤として、迷信として一時期信じられていた。) 

【薬効】
収斂性・解熱・強壮などとして知られ、ビタミンCを豊富に含んだローズヒップは、冬の病気に戦う(効く)ものとしても知られる。気管支炎・インフルエンザ・カゼ・寒気の時など、熱を下げる効果がある。又、無力症・衰弱・そして、全般的な疲れに活力を与えてくれる。下痢・胃炎・軽い伝染性疾患・壊血病などにも効果がある。

【利用法】  
〈お茶〉10粒程の砕いた実と250mlの水で5分煮る。火を止め、さらに5分そのまま置く。その後、実を取り出し、お好みでハチミツと。お昼・夜に熱~いローズヒップ茶をどうぞ。

〈料理〉花を砂糖づけ・ジャム・シロップ・サラダ・デザートにも。

〈美容〉ローズウォーター: シワの予防・肌を清潔に保つ。
    (又、結膜炎の時にローズウォーターで目をこれで洗うと充血・かゆみがとれる。)
    バラのクリーム: しみ・シワに効果。
    ローズヒッピオイル: ビタミンAが豊富で、皮膚の細胞を回復させる働きがあり、
       乾燥肌・肌の老化・しみ・ひびわれ・傷跡・やけど・日焼け等に効果がある。

〈マッサージ〉ローズウォーターをキャリアオイル(ホホバオイル・スイートアーモンドオイル等)と混ぜて、マッサージをすると、血行を良くし、血液の浄化の作用もある。

2010年2月12日金曜日

ユーカリ

初期の探検家達がオーストラリアに到着した時、壮大なユーカリの森林を発見し、「青い霧の国」と名付けたと言う。
エッセンシャルオイルは、病気を伝染させる蚊を追い払う。

ユーカリ
Eucalyptus globulus Labill     俗名:熱(熱病)に効く木

語源:ギリシャ語。eukalyptos: よく, kalyptos: 覆われた

【薬効】
殺菌・苦痛を和らげる・痰の排出を促進・解熱・害虫駆除等の効果がある。気管支炎・インフルエンザ・カゼの時、熱を下げ、気管支を刺激し、通りをよくする。副鼻腔炎にも効果。
*過剰摂取は頭痛・痙攣などを起こし、死に至ることもある。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に4~5枚の葉と、熱いお湯を注ぎ、10分置く。その後、葉を取り出し、お好みでハチミツで味を調節する。1日に3杯。

〈吸入法〉ボール1杯の熱湯に、エッセンシャルオイル1~2滴を薄め、その蒸気を吸入する。1日に3回。

≪注意≫
喘息を持っている人、妊婦、授乳中の女性、幼児の使用禁止。
薬を服用している人は、薬との相互作用の点より、医師の助言が必要。
ヨウ素を含む海藻類等と拮抗する作用がある。
エッセンシャルオイルは、腎臓の障害を引き起こす可能性がある。

ローズマリー

花言葉は『記憶』。
古い伝説によると、聖母マリアがエジプトに逃れる際に、彼女がまとっていた紺碧色の美しいマントを無くしてしまう。この聖なる服が、ある花に覆われた低木の茂みに引っかかり、その茂みの小さな花々は、聖母マリアに敬意を表して、セルレアンブルー(柔らかい青・透き通った美しい青)をまとようになったとか。。

記憶・友情・誠実のシンボルであるローズマリー、ヨーロッパでは、昔、若い新婚夫婦が婚礼の儀式や祭りの際に、ローズマリーの冠を被っていた。

ローズマリー
Rosmarinus officinalis L.    俗名:海のバラ

語源:ラテン語。 ros: 露 ,  marinus: 海の、海辺の 


【薬効】
ローズマリーは万能薬として知られ、鎮静・鎮咳・腸内ガスの排出の促進・胆汁の増進・消化促進・月経促進・強壮等の効果がある。
肝不全・精神的又は身体的過労・発熱・精神不安定・不眠等にも効果がある。
*ただし、過剰摂取は、痙攣、妊娠中の場合は流産の原因となる。
 
【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に対して、ティースプーン1杯の葉を熱い湯と共に入れ10分煎じる。
    その後、葉を取り出し、お好みでハチミツや砂糖で味を調節する。食後にどうぞ。
 
〈料理〉生又は乾燥葉をお肉料理・魚料理・ジャガイモ料理・スープ・シチューの香味料に。
    ビスケットやジャム作りに粉末を。ワイン・オリーブオイル・お酢等に浸しても。

〈美容〉お風呂に乾燥葉250gを入れる。血行を良くし、肌を活性化してくれる。

〈マッサージ〉ローズマリーオイルは、リューマチの痛み・関節炎・神経痛を和らげる。

〈焚く〉 樟脳の香りを持つローズマリーは教会や病院などで、空気を清浄化するために焚かれていた。

≪注意≫
エッセンシャルオイルは、妊婦・授乳中の女性、幼児は使用禁止。