2012年7月25日水曜日

西洋鹿の子草

Valeriana officinalis L.  オミナエシ科カノコソウ属  俗名:猫のハーブ

花言葉は『気のおけない性質』。
ヨーロッパでは、ルネサンス時代に医者達がこの植物を癲癇患者に推奨していた。
独特な臭いが、人によっては好き嫌いのはっきりする植物。
乾燥した根は俗名にもある様に、その放つ臭いにネコやイタチ・ミミズまでも引き寄せられる。
そうした理由から、罠として利用もされる事もある。

語源:ラテン語
Valeriana: valere 健康である
officinalis: 薬効のある

【薬効】
鎮痙・鎮痛・鎮静・催眠・消化管機能改善・血圧降下・性欲減退などの作用がある。
神経過敏症・不安症・ヒステリー・胃腸の痙攣・頻拍・ほてりなどを和らげる。
神経からくる不眠症にも有効。神経の緊張を解く。
タバコ中毒者がタバコを断つ事による禁断症状を和らげ禁煙治療を促進させ、タバコの味も悪く感じさせる。
また、中世では、すでに性欲を減退させる草として有名であった。

【利用法】 根
(お茶)カップ1杯に対してティースプーン1杯の乾燥根。
3分間煮て、火を止め、5分蒸らしておく。
その後漉して何枚かのレモンバーベナの葉を加える。味を良くする。
お好みで蜂蜜を加える。(不安・不眠に)

(お風呂)根を煎じた液を少量お風呂に入れる。肌をしっとりさせる。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児・肝臓機能不全の患者は利用を避ける。
過剰摂取は依存症・半睡眠状態(無気力な状態)や悪寒・頭痛・動悸・麻痺などを引き起こす事がある。

2012年7月20日金曜日

ナスタチウム(ノウゼンハレン)

Tropaeolum majus.L
キンレンカ科 ノウゼンハレン属

花言葉は『愛国心』。
南アメリカ、アンデス山脈が原産地。
俗名では、インディアンクレス、又、
ペルーのコショウなどと言われ、
辛しに似たピリッとした味がする。


語源:ラテン語
Tropaeolum: tropaeum トロフィー、戦利品。
戦場で勝利した際に、戦利品として獲った楯や兜を吊るしていた。
葉が楯、花が戦いの兜に似ている事より、この花を戦勝の印とした。
majus: major 大きい

【薬効】
鎮咳・痰の排出の促進・月経促進などの作用があり、又、自然の抗生物質としての成分も含む。
気管支炎や咳を鎮める。
葉にはビタミンやミネラルが多く含まれる。ビタミンCや鉄分が豊富。
ナスタチウムを利用したヘアローションは、髪の毛が抜けるのを減らし、毛が再び生えるのを促進する。又、頭皮に活力を与える。

【利用法】 葉・花・蕾
(お茶)カップ1杯のお湯にスプーン1杯の花・葉。10分浸す。
その後、漉してハチミツで味付けを。1日に3杯。食事時から時間を置いて。

(料理)花・葉はサラダやサンドウィッチに。
若い薄緑の種はケイパーと同じ様に酢漬けに。
クリームチーズに刻んだ葉を混ぜたり、卵料理に用いたりも出来る。

(園芸)ジャガイモやラディッシュの近くに植えると害虫から守ってくれる。
りんごの側に植えると、リンゴワタムシを防ぐと言われる。

2012年7月4日水曜日

ひなげし(虞美人草)

ギリシャ神話では、収穫の女神デメテルに捧げられていた花。

ひなげし(虞美人草)   ケシ科・属
Papaver rhoeas

語源:ラテン語
Papaver: papa 幼児に与える粥の事で
催眠作用のあるケシの乳汁を混ぜて
幼児を寝かせつけていたと言う。

【薬効】
鎮静・鎮痙・鎮咳・催眠作用、また去痰・食欲増進作用がある。
神経が高ぶっている時などに、睡眠を促進してくれる。
又、インフルエンザ・気管支炎などの際に、咳を鎮めてくれる。

【利用法】
(お茶) カップ1杯に対して、ティースプーン1杯の乾燥花。
熱湯に10分浸し置く。その後、漉して、お好みでハチミツで味付けを。
就寝前に1杯。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は利用を避ける。
シロップの服用で子供が中毒を起こした例が報告されている。