2013年2月15日金曜日

アニス

Pimpinella anisum   セリ科 アニス属
語源:ラテン語
pimpinella: bipinnula 2回羽状複葉の

中東が発祥地のこのアニス、古代ローマ時代より、地中海沿岸地方で、よく栽培されていた。
1世紀頃、ギリシャの医者であり、植物学者であるディオスコリデスは
アニスは、痛みを緩和し、また、催淫剤としての効果があるとして推奨していた。
中世、ヨーロッパでは、催淫剤として、またドラッグとしても飲まれていた。
アブサンというお酒に含まれるスパイスの一つが、このアニス。


成分:脂質、フラボノイド、葉緑素、樹脂、アネトルを豊富に含むエッセンシャルオイル

【薬効】
食欲促進、消化促進、抗炎症、抗細菌、整腸作用、心臓を強くする効果がある。
消化不良、吞気症、痙攣、嘔吐、吐き気などの際に。

*種から採れるエッセンシャルオイルは有害。
使用には医師またはアロマセラピストの元で。
また種子・粉になったものを利用する場合でも、過剰摂取は避ける。
神経障害を引き起こす事がある。


【利用法】 種子
(料理)多くの菓子類に利用され、ケーキ、パン、ビスケットなどに家庭で簡単に利用できる。

*フランスでは、パン・ド・エピスという菓子に欠かせないのが、このアニスのスパイス。
クリスマスの時期には、欠かせない菓子の一つである。

パン・ド・エピス (20x20cmの容器に対する分量)
小麦粉         250g
ハチミツ        150g 
砂糖           30g(お好みで50gに、もう少し多くしても)
ラム酒           5cl(お好みで、コニャックや他のお酒でも)
豆乳            少量(牛乳でも)
卵             1ヶ
フルーツコンフィ    50g(砂糖漬け果物の事。チェリーやアンジェリカ、お好みの果物で)
オレンジの皮      少量(フルーツコンフィがない時は、オレンジの皮を多めにしても良い)
ベ-キングパウダー    ティースプーン半分  
⋆アニスのスパイス(粉)   ティースプーン1杯       
⋆シナモンのスパイス(粉)    同上
⋆ジンジャーのスパイス(粉) ティースプーン半分
(⋆のスパイスは、パン・ド・エピスというスパイスを代用しても良い。
その場合はティースプーン3~4杯)

1:ボールに振った小麦粉と砂糖、スパイス類を混ぜる
2:コンフィを小さく角切りにし、1に混ぜる
3:ハチミツを湯煎で溶かし、ボールに加える
4:卵を加え良く混ぜ、アルコールを混ぜる
5:細く、小さく切ったオレンジの皮を加える
6:生地が柔らかくなる位に少しずつ豆乳を加える(硬さはお好み)
7:容器にクッキングシートを敷き、そこに生地を入れる
8:180℃に予熱したオーブンで30分位♪



2013年2月1日金曜日

ディル (イノンド)

Anethum graveolens L.  セリ科 イノンド属
語源:ギリシャ語
Anethum: anethon フェンネル、灼ける(種は刺激的な味がすることから)
graveolens: 強い香り


今年は、少しスパイスについて。
その初めとして、ディル。その花言葉は、『幸運』。

中世ヨーロッパでは、魔除けのハーブとして使われ、
又、運がよくなるとして身につけていたと言う。
ディルを浸したワインは、”愛の媚薬”として飲まれていた。
17・18世紀には、教会の種(ミーティング・シード)と呼ばれ、
長い礼拝の間、この種を噛み、空腹や退屈をしのいでいたと言う。
種には、タンニン、カルシウム、リン、ミネラル、ビタミンCなどが豊富に含まれている。


【薬効】
食欲増進・消化促進・健胃・整腸・鎮静・鎮痙などの作用がある。
消化不良や吞気症、鼓腸、頭痛、また嘔吐の際などに。
胃を優しく鎮め、精神も落ちつかせる。
又、母乳促進の効果もある。

【利用法】
(お茶)1Lの水に、50gの種。
1日に3杯から、母乳を促進する効果がある。
*私は、母乳を上げる際、よくフェンネル(種)やリンデン(花)のお茶を飲用していた。
母乳を上げる前に、こうしたお茶を飲んで、準備していた。
ただ、ディルにも、そういう効果があるとは・・・知らなかった!


(料理)ピクルスやお酢・オイルなどに浸けこんで。
すり潰した種は、スープや魚料理に。

(口臭)種をそのまま噛むと、息が爽やかに。

(しゃっくり)種をガーゼに包み、その香りを嗅ぐ。

(美容)潰した種をお風呂に。心身をリラックスさせ、爪を強くする。

(園芸)レタスの間に植えると、防虫効果になる。
キャベツ・キュウリ・トウモロコシと混植すると、植物が丈夫に育つ。