2014年10月17日金曜日

クローブ(丁子)

Syzygium aromaticum フトモモ科・属

アジアにおいては、2000年以上前から知られており、
中国ではハン王朝の時代、皇帝に言葉をかける者は、
その前に、口臭を防ぐ為、このクローブを噛まなければならなかった。
ヨーロッパには、4世紀頃に導入され、中世には、コショウと同様に大量に持ち込まれた。
オランダ人によるインドシナでのクローブ栽培は、17世紀頃、約2世紀にも渡り長い間、独占されていた。また価格を高くする為に、収穫された一部を焼却していた。
クローブの木は、15m以上にまで達し、100年も生きると言われている。
7年目の木に、ようやくクローブの実を実らせる。

成分:エッセンシャルオイル(殺菌・鎮痙作用)、オイゲノール、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ビタミンC

【薬効】
鎮痛、吐き気・嘔吐抑制、消化管機能改善、腸内寄生虫予防、子宮を収縮させる、抗炎症作用、強い殺菌作用などの効用がある。
胃腸炎、腸内寄生虫、悪寒、頭痛などに有効。
アーユルベェーダにおいては、万能と言って良い程の体調のバランスを整える作用があると言われ、免疫力を高めると言われる。
中国では、主として、腎臓の強壮剤とみなされている。
中国漢方では、吐き気・嘔吐・しゃっくり・腹部の冷え・勃起不全に利用される。

外用:歯痛、虫刺されに

2014年5月17日土曜日

クミン

石器時代そして古代エジプト時代に、クミンが利用されていた痕跡が発見されている。
古代ローマ人にとっては、胡椒の代わりともなっていた。
中世ヨーロッパでは、クミンは、誠実なる愛をもたらすものと言われていた。

成分:カリウム(2gのクミンに対して、38mg)、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄分etc

【薬効】
消化促進、肝臓機能促進、生殖器官の刺激作用等がある。
軽い胃腸の不調、又それによる偏頭痛の際等に。
オイルには、抗細菌、殺虫作用がある。

【利用法】
種子状のもの、そして粉末状のものがあり、利用の際に他のスパイス(ターメリック・カレー・クローブ・シナモン・カルダモン・コショウetc)とよく混ぜて用いられる。
肉料理・豆料理に用いることで、消化を良くしてくれる。

*我が家の定番、人参スープ*
ニンジン 7~8本   
タマネギ 大1個    
ジャガイモ 2~3個 
クミン  小さじ2杯
塩    適量 
コショウ 少々
ローリエ 1~2枚
油    少々
パセリ  少々

1:野菜を小さく切り、お鍋に油を入れ、タマネギ、ニンジン、ジャガイモと次々に加え、炒める。
2:野菜がある程度炒まったら、野菜が完全に浸る位に、お湯を加え、調味料・香辛料を加え、煮込む(沸騰後、弱火)。
3:45分~1時間程度煮込んだら、ミキサーでなめらかにする。お皿に盛り、パセリを散らし、召し上がれ♪

2014年4月11日金曜日

胡麻

Sesamum indicum ゴマ科 ゴマ属

胡麻は、種の栽培として初期に行われたものの一つ。
3600年前、古代メソポタミアで胡麻の栽培が行われていた形跡が残っており、
トルコでは、3000年以上も以前より、胡麻から抽出される油、胡麻油はよく知られていた。
中国では、少なくても5000年も前から、治療目的でこの胡麻が利用され、
古代ギリシャでは、戦士達に活力を与える為に供給されていたと言われている。
胡麻に含まれるカルシウムは吸収が良く、優れたエネルギー供給源である。

成分:蛋白質20%、脂質50%(その内不飽和脂肪酸が85%)、ビタミンA・B1・B2・B3・B5・B6・B9・E、ミネラル、微量元素(カルシウム、鉄分、リン等)等

【薬効】
滋養・強壮剤、病後の回復期、骨・歯の強化、乾燥した組織の湿潤、緩下剤。
腰・膝の痛みや弱りに効果もあり、皮膚・髪の状態を良くし、若ハゲや若白髪、咳、視力低下、目眩、耳鳴りにも良いとされる。
胡麻に含まれる成分の抗酸化作用が老化防止や心臓病にも良い効果を発揮してくれる。
含有成分であるレシチンは、脳の働きを良くし、記憶力を向上させる。

≪注意≫
胡麻アレルギーがある人は、使用を避ける。
また高カロリーなので、過剰摂取には気を付ける。

2014年3月28日金曜日

西洋わさび(ホースラディッシュ)

Armoracia rusticana アブラナ科 ワサビダイコン属

古代ローマ人は、すでにこの西洋わさびを畑で栽培していた。
13世紀、ドイツのキリスト神学者であり、錬金術師でもあるアルバート・ル・グランは、
この植物の薬効を発見。この刺激的な味は、ゲルマン人・アングロサクソン人に大変好まれた。

成分:ビタミンC・B1・B2・B6、エッセンシャルオイル、カリウム、マグネシウム、鉄分

【薬効】
消化促進、血液循環の促進、発汗促進による解熱、去痰剤、利尿、細菌感染抑制等の作用がある。

【利用法】
葉:生の若葉は、サラダに。
根:生の根は、単独またはリンゴとすりおろして魚料理の香辛料に。
又、酢とクリームを混ぜて、ローストビーフ・コールドチキン・ゆで卵等のソースに。
*ホースラディッシュソースは、煮立てると辛味が無くなってしまうので静かに温める。

(外用)リューマチ・関節炎・坐骨神経痛・虫刺されに湿布として利用。
又、スチームバスで頭痛の軽減に。

≪注意≫
過剰摂取は吐き気を催し、他のアレルギー反応を引き起こすことがある。
胃潰瘍・甲状腺疾患のある場合は、利用を避ける。

2014年1月10日金曜日

わさび

Wasabia japonica  アブラナ科 ワサビ属

わさびは、西洋ワサビやラディッシュ、マスタードと同じ科に属し、
皆、刺激性のサルファ・グリコシド類を含有している。
わさびの辛味は、すりおろす際に辛味成分が酸素と触れ、分解酵素と反応することで生まれる。

成分:カルシウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、亜鉛、ビタミンB1・B2・B6・C
食物繊維、抗酸化物質等

【薬効】
食欲増進、消化促進、抗菌、抗虫、抗カビ、解毒、血液をサラサラにして循環を促進させる等の作用がある。
又、抗ガン作用、老化防止、脳細胞を活性化させる等の効果もある。