2010年12月22日水曜日

マテ

マテ茶。パラグアイの原住民の伝統的な飲み物。
数種類のモチノキが薬用・儀式に用いられている。
16世紀、ヨーロッパにスペイン人のイエスズ会士達によりマテ茶の飲用の儀礼が伝えられている。

マテ            モチノキ属・科
Ilex paraguariensis St-Hill.

語源:ケチュア語。(南米中央アンデスの部族の言語)
   マテ: mati  ひょうたん型の瓶(容器)

【薬効】
鎮痛・利尿・浄化・解毒作用・軽い緩化剤・強壮剤などの効果がある。
緊張・頭痛・偏頭痛・神経痛・軽い欝症・リューマチ性の痛みに有効。

マテは、知的また身体的活動を増進させ、神経組織を強化する。
マテに含まれるビタミン・ミネラルにより、肉体的また身体的活力や満腹感を得られ、痩身の食事療法にも用いられる。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に対しティースプーン1杯のマテの葉を、熱湯に入れ5分間おく。
その後、葉を取り出し頂く。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児、また、心臓疾患・腎臓疾患・欝症・高血圧症・潰瘍のある人などは、使用を避ける。

2010年12月14日火曜日

ヨーロッパアカマツ

古代ローマ人達は、この木を自然の永遠なる再生のシンボルとして讃えていた。
マツ属は、古代より薬用として利用され、樹脂と樟脳系の揮発性オイルを豊富に含む。
その中でも、ピネンは強い殺菌・興奮作用がある。
多くの種類から採れるパインオイルは、筋肉のこり・坐骨神経痛・リューマチなどのマッサージオイルとして利用される。

ヨーロッパマカマツ                マツ属・科
Pinus sylvestris L.

語源: ラテン語。
   Pinus: pineus マツ , sylvestris: silvestris 森林

【薬効】
鎮痛・殺菌・去痰などの効果がある。
気管支炎・インフルエンザ・カゼなどの場合に、その症状を和らげる。

外用として、関節炎・リューマチ・坐骨神経痛・循環器機能不全・気管支炎・カタル・副鼻腔炎・喘息・神経痛・肺炎・ニキビ・疲労・精神消耗などに有効。

【利用法】
〈お茶〉1/4Lの水に対して、スプーン1杯の新芽を3分間沸騰させ煮出す。その後、火を止め新芽を取り出しハチミツで味付けをして召し上がれ。1日に3~4杯。

〈お風呂〉2Lの水に対して、100gの新芽を10分間沸騰させ煮出す。その後、新芽を取り出し、それをお風呂に入れる。入浴時間は20分間位。

〈浄化〉エッセンシャルオイルは、強い殺菌効果があり、住居を衛生的に浄化させる。アロマオイルとして焚いて**

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児~6歳以下は、使用を避ける。
また、皮膚アレルギーのある人も利用を避ける。
 

2010年11月30日火曜日

西洋唐花草(ホップ)

中世に、修道士たちがホップをビールの醸造に導入したと言われる。

西洋唐花草(ホップ)

語源:ラテン語
   Humulus: humus 土 , lupulus: lupus 小さな狼
  (ホップの葉が地面に残されたオオカミの足跡を思わせる事より)

【薬効】
食欲増進・消化促進・鎮静・利尿・乳分泌促進・催眠性・性欲減退などの効果がある。
不安・心配・神経症・ストレスなどの場合に眠りを促進させる。

【利用法】 利用部位: 雌花・若芽
〈お茶〉カップ1杯にスプーン1杯の乾燥花を熱湯で10分間おく。
    その後、花を取り出して召し上がれ。1日に3回、または、就寝前に1杯。

〈安眠枕〉乾燥花を枕に入れて。

〈料理〉若芽は、生でも料理(茹でたり・炒めたり)してもOK!アスパラガスの様に。

2010年11月22日月曜日

西洋シナノキ(冬菩提樹・小葉菩提樹)


ギリシャ神話では母性愛のシンボル。
ある民間の言い伝えによると、この樹の花の下に座っていると癲癇が治るという。

西洋シナノキ                   シナノキ属・科
Tilia cordata Mill.

語源:ラテン語。
   Tilia: 菩提樹、シナノキ
   cordata: 心臓の形をした(葉の形より)
   Mill: 18世紀のスコットランドの植物学者Philip Miller の略。

【薬効】
(花)鎮痙・鎮静・解熱・催眠・発汗作用などの効果がある。
  不安・神経症や不眠に。冬の病気(体の節々の痛み・悪寒)などに有効。
  高血圧・動脈硬化・不安による心臓血管・消化管疾患・尿路感染症・発熱性風邪・インフルエンザ・呼吸器カタル・偏頭痛にも。

(木片:木の中心部と皮の間の部分)胆汁の促進・浄化・利尿作用などの効果。
 胆結石・尿結石・コレステロールを下げる・肥満・痛風・リューマチなどの場合に有効。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に乾燥花2~3つ。熱湯で10分程おく。
    お好みでハチミツで味付けをして、召し上がれ。

〈お風呂〉入浴剤としてお風呂に。肌をなめらかにする。
     赤ちゃんのお風呂にも良く、リラックスさせる。

2010年11月16日火曜日

ブドウの木

古代ギリシャ人達は、彼らの文明のシンボルとしてブドウの木を崇敬していた。

語源:ラテン語
   Vitis: ブドウの木 , vinifera:vinis ワイン, ferra ~を生む

【薬効】
収斂・血管収縮作用・静脈強壮・利尿・止血・解毒作用などの効果がある。
静脈や毛細血管の障害(赤ら顔・足が重い・静脈瘤など)に有効に働きかける。
また、月経過多・更年期障害・高血圧・高コレステロール・皮膚の発疹にも有効。

ブドウの葉・種には、抗酸化物質、老化を防ぐ作用物質を含んでいる。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児、また、重度の肝機能障害を持つ人・甲状腺ガンの人も使用を避ける。


 

2010年11月10日水曜日

オリーブ

花言葉は『平和』。
古代ギリシャ時代、オリーブはアテネのシンボル。
ギリシャ神話では、女神アテーナが、力と勇気のシンボルとして創造したという。

オリーブ         オリーブ属 モクセイ科
Olea europaea L.

語源:ラテン語。
 Olea europaea L: ヨーロッパのオリーブ

【薬効】
血圧降下・胆汁排泄の促進・解熱・鎮静・殺菌・緩下剤などの効果がある。
葉は、血圧降下・コレステロールの減少・軽い発熱性疾患・緊張などに。
オイルは、便秘・消化性潰瘍に効く。

外用として、葉をすり傷に。オイルは、皮膚や毛髪の乾燥・フケ症に。

【利用法】 利用部位: 樹の皮・葉・実
〈お茶〉カップ1杯に対し、ティースプーン1杯の葉を熱湯で30秒煮出し、その後、火を止め10分間おく。そして葉を取り除き、ハチミツなどで味付けをして、毎食前に1杯。

〈便秘〉大さじ1杯のオイルを空腹時に。

2010年11月5日金曜日

イチョウ

イチョウは、その樹齢の長さにより敬まれ、陰・陽の原理を元に、対でお寺の周りに植えられたりしている。
種子は中国漢方では、古くから利用され、西欧では葉を主として用いる。

イチョウ                  イチョウ属・科
Ginkgo biloba L.

語源: 中国語。 Ginkgo: yin kuo →金の杏
    ラテン語。biloba: 二浅裂の
(スウェーデンの植物学者カール・リンネが、イチョウの葉が2つの裂片から成る葉の切り込みを理由として名付けた)

【薬効】
抗酸化作用・血液の流れを良くする・循環器系の刺激作用などがある。
脳細胞の循環を良くするとされている。
老化に伴う認識の機能の悪化のような記憶力の障害に働きかける。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児・血友病患者・外科手術を控えている人などは利用を避ける。(血流を良くすることから)

2010年10月30日土曜日

チコリ(キクニガナ)

花言葉は、『節約』。
古代ローマ時代に野菜として栽培され、以後、欧州大陸全域に重要な作物として伝わる。

朝に咲いて昼には、もう閉じてしまう。1日に5時間しか咲かない1日花のチコリ。
正確に5時間後に閉じる事から”花時計”として植えられることも。

チコリ(キクニガナ)             キクニガナ属 キク科
Cichorium intybus L.

語源:ギリシャ語。
cichorium: kikhorion  チコリ
intybus: entubion  野生のチコリ

【薬効】
胆汁促進・浄化・利尿・緩化剤などの効果がある。
肝臓疾患・リューマチ・痛風・内痔核に有効。

葉・花・種・根の全てが肝臓の病気に効き目がある。
皮膚病・黄疸などの治療にも使われる。

【利用法】 利用部位: 葉・花・根
〈料理〉 花や若葉はサラダに散らして。澄んだブルーの花の色で鮮やかに。
 
〈チコリコーヒー〉刻んだ根を炒ってコーヒーの代わりに。

〈便秘〉乾燥葉のハーブティーは緩化剤になる。食後に。

〈炎症〉腫れや赤みなどの炎症部位に、葉の浸出液を湿布に。

≪注意≫
過度の摂取は、食道・胃の炎症を引き起こす事がある。
胆石を生じやすい人は、医師の判断の元の利用。

2010年10月19日火曜日

クマツヅラ

花言葉は、『魔法』。
古代ローマ人は、このクマツヅラに魔力があるとして、「愛と美の女神ヴィーナスの草」と呼んでいた。
愛の炎を再び燃やすのに適したものと信じていた。
新年、元日には、幸福をもたらすとして、クマツヅラの花束を贈っていた。

クマツヅラ              クマツヅラ属・科
Verbena officinalis L.

語源:ラテン語。 verbena: クマツヅラ
   ケルト語。 ferfaen: クマツヅラ

【薬効】
鎮痙・鎮静・消化促進・発汗・利尿・乳分泌促進・子宮の刺激作用・通経などの効果がある。
精神消耗・うつ病・病後の回復期・喘息・偏頭痛・黄疸・乳分泌促進に内服する。

外用として、傷・湿疹・ただれ・神経痛・歯肉炎に有効。

【利用法】 利用部位: 地上部
〈お茶〉カップ1杯に対し、ティースプーン1杯のクマツヅラの地上部を、熱湯に10分浸し置く。その後、葉等を取り出し、毎食後に1杯。

〈ローション〉1/4Lの水に、スプーン2杯のクマツヅラの地上部を、10分間沸騰させながら煎じる。その後、草等を取り出し、冷ます。

〈うがい薬〉乾燥葉を浸出させた液で、喉の痛みがある時に。

〈お風呂〉煎じた液をお風呂に入れて入浴すると、神経疲労を和らげ、リラックス効果。

≪注意≫
妊婦・幼児は使用を避ける。
妊娠中は勧められないが、分娩中の子宮の収縮促進に使用される。

2010年10月11日月曜日

フェンネル

花言葉は、『精神の強さ』。
医学の父であるヒポクラテスは、フェンネルの種を母乳の分泌を促進させる効用があるとして、授乳中の女性に勧めていた。

フェンネル        ウイキョウ属 セリ科
Foeniculum vulgare Miller.

語源:ラテン語。
   Foeniculum: 小さな干し草(葉の香りが干し草を思わせる事から)
   vulgare→vuigaris: 普通の、広く分布する

【薬効】
食欲増進・緩下作用・浄化・利尿・消炎作用・消化管機能改善・乳分泌促進などの効果がある。
フェンネルの種は、消化不良・鼓腸・吞気症を和らげる。
フェンネルで香りづけされたワインは、食欲不振の場合の食欲増進となる。
授乳中の女性は、乳汁分泌促進の為にフェンネルの種を噛むと良い。

【利用法】 利用部位: 種・葉・根
〈料理〉葉や種子は魚料理によく使われる。脂っこい肉料理にも良い。
 花や葉は、そのままサラダやスープに散したり、野菜として炒めたり・茹でたりして頂く。

〈湿布〉ハーブティを目の炎症や疲れ目に湿布する。
 
〈お風呂〉ハーブバスとして葉・種子を利用する。美顔や全身ケア、そして痩身効果がある。

〈美容〉葉と種子を利用したフェイシャルスチームは、毛穴の奥まで浄化してくれる。

≪注意≫
妊婦は使用避ける。
いくつかの国では、フェンネルのエッセンシャルオイルは、処方箋がなければ入手できない。

2010年10月4日月曜日

とうもろこし

豊かさ・肥沃さ・多産性のシンボルとして、アステカ・インカ・マヤなどの文明で、宗教的儀式・祭式に関係していた。

とうもろこし                     トウモロコシ属  イネ科
Zea mays L.

語源: zea ギリシャ語より: dzea: 穀物の品種
    mays カスティーリヤ語より: maiz: とうもろこし

【薬効】
利尿・血糖値降下・胆汁分泌促進・尿路結石形成阻止・膀胱炎の時の鎮静などの作用がある。
尿道炎・前立腺炎・尿路結石・小児の夜尿症に有効。
また、痛風・水腫症・リューマチにも効く。

【利用法】 利用部位: 雌花の花柱の毛
〈お茶〉 1Lの水に対して30gの花柱の毛。
     5分間沸騰させ、その後火を止め、10分間蒸らし置き、漉す。
     カップ半分位を食間に。 1日に1Lの量を超えないこと!
     

2010年9月27日月曜日

ギョリュウモドキ(英名:ヒース)

フランスのランド県では、かつて、このヒースを使ってホウキを作っていた。

ギョリュウモドキ          ギョリュウモドキ属 ツツジ科
Calluna vugalis

語源: ギリシャ語   calluna: ~をきれいにする、掃除する

【薬効】
抗結石症・抗炎症・抗リューマチ・泌尿器系の殺菌作用・利尿作用・発汗促進・鎮静作用などの効果がある。
咳・下痢・腎臓・関節炎・リューマチ・精神消耗に有効。
慢性・急性の泌尿器系の炎症に効く。正確に言うと、膀胱炎・尿結石症の場合に効く。

【利用法】 利用部位:花
〈お茶〉カップ1杯に対し、スプーン1杯の花。3分沸騰させ、その後火を止め漉す。
    ハチミツで味付けをし、1日に3杯。

〈お風呂〉1Lの水に対し、25gの花。沸騰させ、その後10分煮出しおき漉したものをお風呂に入れる。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用を避ける。
合成薬品との服用は避ける。


      
      

2010年9月20日月曜日

ブラックベリー

ある古い民話のお話。
昔、ブッラクベリーは、田舎の宿屋を営んでいて、多くの旅人にツケで利用させていた所、宿を閉めることになった。それ以来、ブラックベリーは道端にいて、そこを通りすがる全ての人を捕まえると、言う。

ブラックベリー
  キイチゴ属 バラ科
Rubus fructicosus L.

語源:ラテン語。
   rubus: キイチゴ また、rubuer: 赤い
   fructusus → fructicosus: 実であふれた

【薬効】
収斂作用・止血作用・利尿作用・傷薬・強壮などの効果がある。
下痢や赤痢の場合に有効。
口狭炎・咽頭炎の場合に、ハーブティをうがい薬として。

新芽を春に収穫し、ビンに入れ、太陽に当てると、汁液が生じる。膿をもったできものや腫れもの・傷口などの傷薬として。

【利用法】利用部位:新芽、乾燥葉、実
〈お茶〉カップ1杯に対しスプーン1杯の葉を2分間沸騰させ、その後火を止め、10分間煮出す。その後、トゲを取り除くため漉す。

〈料理〉実は生で、またジャム・シロップ・ワイン・タルト・パイなどに利用。

≪注意≫
妊婦の使用は避ける。(タンニンを含む事より、子宮の収縮を促すため。)

2010年9月14日火曜日

きんせんか


古代より、薬用ハーブとして、食料品・化粧品・布地などの着色料として利用されている。
古代エジプトでは、若返りの薬として。
きんせんかの花びらは、サフランの代用としても利用される。

きんせんか     キンセンカ属 キク科
Calenduia officinalis L.

語源:ラテン語。
   calendoe: 古代ローマ時代、月初めの一日に咲く花より。
   officinalis: 薬用の

【薬効】
殺菌・傷の治癒・止血作用などの効果がある。
また、無月経や月経困難症などの場合に月経を整える作用がある。
そして、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治癒効果がある。

外用として、膿をもったできものやはれもの・やけど・日焼け・傷・ひび割れ・あかぎれ等に効く。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯にスプーン1杯の花びら。熱湯に10分浸しおく。
    ハチミツ等で味付けし、1日に3杯。食間に。

〈炎症〉新鮮な葉の浸出液を湿布に。

〈料理〉花びらをサラダやパン・クッキーに。
    米料理やスープに、サフランの代わりとして。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性は利用避ける。

2010年6月22日火曜日

ラベンダー

花言葉は、『私にこたえて』。
ラベンダーの種類の中でも、このコモンラベンダーは、すばらしい香りが採れるとして、高級香水やアロマテラピーに利用される。

イギリスでは、気絶した女性にラベンダーの香りをかがせると息を吹き返す”魔法の香り”と呼ばれていたと言う。

ラベンダー      ラバンドゥラ属 シソ科
Lavandula angustifolia Mill.       俗名:コモンラベンダー、イングリッシュラベンダー

語源:ラテン語。 Lavandula: lavare- 洗う , angustifolia: 細い葉っぱ

【薬効】
殺菌・鎮静・傷薬・催眠・害虫除けなどの効果がある。
不安・神経の高ぶり・苛立ち・神経からくる不眠などの場合に、神経を和らげてくれる。
頭部に効くとして、古くより、頭痛・偏頭痛に利用される。
外用として、やけど・虫さされ・傷などに有効。
又、このラベンダーの香りを害虫が嫌うとして、害虫駆除剤として利用される。

【利用】
〈口内炎〉乾燥花を小さじ1をカップ2杯の熱湯で煮出し、冷ましたものでうがいを。
 
〈化粧水〉リンゴ酢500cc、乾燥花大さじ6を合わせ、2週間寝かす。
     その後、500ccの蒸留水を加える。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は利用を避ける。
エッセンシャルオイルの内服の利用は、医師の判断の元。

2010年6月15日火曜日

西洋夏雪草

花言葉は、『魅せられて』。
アーモンドの香りがする清楚な花。
蜂蜜酒の香り付けに利用されたり、ハチミツで味付けし冷やした西洋夏雪草のハーブティーも有名。風邪気味で熱っぽい時に、ぴったりのハーブティー。

1899年頃、Bayer製薬という製薬会社は、この植物の活性成分であるサルチル酸からアスピリンを合成した。

西洋夏雪草     シモツケ属・バラ科
Spiraea ulmaria(Filipendula ulmaria)     俗名:雄ヤギのヒゲ

語源:ギリシャ語から Spiraea: 渦巻状の(実が螺旋状の形態を思わせることから)
   ラテン語から  ulmaria→ ulmus: ニレの若木

【薬効】
抗炎症・浄化作用・解熱・利尿などの効果がある。
植物性アスピリンと呼ばれ、鎮痛・抗炎症・利尿の効用と同時に、リューマチのような関節の痛みの治療にも利用される。
皮下脂肪・痛風・水腫症・リューマチを引き起こす過剰な体内組織の負担(尿酸・水分・脂肪・毒素)を排除してくれる働きがある。
痩身治療に理想的な植物でもある。
体の節々の痛み・風邪・悪寒などの時の解熱剤ともある。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に花の先端をティスプーン1杯。熱湯で10分煮出す。
その後、花を取り出しハチミツで味付けをし、1日に3杯。食間に。

〈鎮痛剤〉葉と花の煎じ液をガーゼに浸し患部に。

〈強壮剤〉赤ワイン1Lと葉・花を100g加え、煮立てて漉す。食前酒として毎食1杯。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児、またアスピリンにアレルギーのある人は使用避ける。
血液の流れを良くする作用がある事から、血友病の人も使用を避ける。
過剰摂取は、心臓の障害を引き起こすことがある。

2010年6月9日水曜日

ローマンカモミール

花言葉は、『逆境におけるエネルギー』。

中世、アラブの医者達は、筋肉痛・神経痛・リューマチの苦痛を和らげるのに、樟脳を含んだカモミールをオイルを利用していた。

ローマンカモミール      カモミール属 キク科
Anthemis nobilis L. / Chamaemelum nobilis L.

語源: ギリシャ語。  Anthemis: anthos - 花
ラテン語。   nobilis: 気高い、高貴な

【薬効】
食欲増進・消化促進・鎮静・鎮痛・月経促進・腸内ガスの排出促進などの効果がある。
鼓腸・消化不良・食欲不振などの時、そして又、眠りを誘いながら、いら立ち・不安な気持ちなどを和らげる。

ローマン種とジャーマン種は、ほぼ同様の効用があり、両種共月経を促す作用がある。

カモミールオイルは、神経痛・筋肉痛・リューマチなどを和らげる。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に新鮮な花5~6ケ。熱湯に数分間浸す。

〈カモミールオイル〉乾燥花50gを食用油300ccに加え、湯煎で2時間。
          その後、花をすり潰し、冷やす。マッサージにどうぞ。

〈化粧水〉冷ましたカモミールティーを化粧水代わりに。すべすべお肌に。

〈シャンプー〉冷ましたカモミールティーをシャンプーに加える。髪に陰影をつけ明るくする。

≪注意≫
オイルは子宮を刺激するので、妊娠中は使用してないけない。

2010年6月5日土曜日

西洋ノコギリ草

花言葉は、『戦い』。
古代ギリシャ・ローマ時代、どの戦場でも手に入れる事が出来る傷薬の植物・兵士達の傷薬であった。
中世ヨーロッパでは、恋占いに。また中国では易経に、このハーブの枝が利用されていた。

名の由来となるギリシャの英雄アキレス、彼は医術に優れたカイローンから、この植物の薬効を教わり、トロイ戦争で負傷した兵士達の傷の治療・止血に利用した。

西洋ノコギリ草   ノコギリソウ属・キク科
Achillea millefolium L.

語源:ラテン語。 Achillea: ギリシャの英雄アキレスより , millefolium: 千の葉

【薬効】
鎮痙・傷の癒着促進・月経促進・傷薬などの効果がある。
また消炎・発汗作用・消化機能補助・利尿作用・血圧降下・止血効果がある。
発熱性疾患(風邪・インフルエンザ・はしか)カタル・下痢・消化不良・リューマチ・関節炎・月経痛・更年期の諸症状・高血圧・卒中・心臓発作後の血栓症予防などに有効

外用として、外傷・鼻血・潰瘍・結膜炎・内痔核に効く。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯にスプーン1杯の葉・花を熱湯で10分煮出す。
その後、葉・花を取り出し、1日3杯。食間に。(消化促進・強壮作用・発汗・解熱)

〈料理〉若葉を細かく刻み、サラダに加えたり、軽く茹でておひたしに。

〈止血〉切り傷や鼻血の時に、生の葉をもんで患部に。

〈歯痛〉若葉をそのまま咬むと、鎮痛剤に。

〈化粧水〉1Lの水に、葉・花50gを煮て、漉す。肌荒れを治し、肌をなめらかにする。

〈湿疹〉若葉をそのまま患部にあてる。湿疹・吹き出物が軽減する。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性は使用避ける。
このハーブに触ったり、利用することで、稀にアレルギーを示す人もいる。
また、長期間の使用は、アレルギー性発疹・肌の光敏感性が起きることもある。

2010年6月1日火曜日

ヨモギ

かつてヨーロッパで、邪悪なものを追い払うために、儀式などで用いられたり、
又、ローマ時代には、足の痛みを和らげる効果があるとして、街道沿いに植えられ、
兵士達は、これを靴の中に入れていたと言う。

ヨモギ     ヨモギ属・キク科
Artemisia vulgaris L.

語源:ラテン語。 
Artemisia: 月の女神であり、処女達そして出産する女性達の守り神であるアルテミスより。
vulgaris: 普通の、広く分布する

【薬効】
月経促進・駆虫薬そして流産を引き起こす作用があり、婦人科系に効くものとして知られる。
消化管の刺激・神経系の強壮・利尿・発汗作用もある。
無月経症・月経困難症などの場合、また食欲不振を伴う鬱症・消化不良に効く。

かつて田舎では、中絶をするためにこのヨモギが使われていた。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用避ける。

2010年5月29日土曜日

ニガヨモギ

19世紀ヨーロッパで、このニガヨモギを使った食前酒アブサンスが、このお酒の持つ催淫性・幻覚性の効果のため、強い刺激を求める愛好家達の間で大流行する。
しかし、その後1908年にスイス、1915年にはフランス、そして多くの国で、このニガヨモギに含まれるツヨンという成分により使用が禁止される。
ツヨンは、毒性を持ち、過剰摂取また依存すると、人格障害となるアルコール中毒症の昏睡や元に戻せない機能障害を引き起こす。

ニガヨモギ           ヨモギ属キク科
Artemisia absinthium L.

語源:Artemisia: ギリシャ神話の狩猟の女神アルテミスより。
   ギリシャ語。 absinthium→ a: 奪い取る・排他的 , psinthion: 苦味により甘みを欠いた

【薬効】
消化促進・胆汁の排出促進・月経促進・駆虫薬(腸内寄生虫駆除)などの効果がある。
また、流産を引き起こすものとして知られていた。
胃腸の働きを強めるので、食欲不振に、そして胆嚢の疾患・回虫に、少量を短期間の使用にとどめる。
外用として、打撲・咬傷に。また止血に葉を丸め鼻につめると良い。

また、防虫剤として、乾燥葉をサシェにしてタンスなどに。
虫除けハーブとして、他にラベンダー・コリアンダー(種)を軽くすりつぶしたものと、タンジーを加えても◎。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児・心配性の人・怒りっぽい人などは使用避ける。
また鉄分・鉛・亜鉛との服用は避ける。
8日以上の使用は、消化器系の炎症、またアブサンス酒のような有害な効果を引き起こす。

2010年5月26日水曜日

チャノキ

お茶は、抗酸化作用を持つポリフェノールを含み、心臓疾患・卒中・ガン予防などに効果がある。
また、タンニンを10~24%含み、これが食道ガンの原因になると言われる。
ミルクを加えることでタンニンが中和され、危険性を回避できる。

チャノキCamellia sinensis L.  ツバキ属・科

語源:ラテン語。  camellia: ツバキ , sinensis: 中国原産

【薬効】
痩身・利尿・強壮などの効果がある。
皮下脂肪(贅肉)・過度な体重増加・水腫症などに有効。
下痢・赤痢・肝炎・胃腸炎、また肉体的・精神的・知的な疲労・無力症などの場合にも効く。

外用として、眼のただれ・軽い傷・虫刺されに。

≪注意≫
気分の落ち込みやすい人(うつ病の人)・妊婦・授乳中の女性・幼児・高血圧の人・神経質の人・不眠症の人はカフェインにより使用避ける。
また、お茶を飲用することで、習慣性・耐性ができ、過度の摂取を引き起こすことがある。

2010年5月20日木曜日

西洋トチノキ(マロニエ)

原産地は、バルカン半島。より正確にはトルコ。
中世の騎士志願者が、17世紀の初めにコンスタンチノープルからフランスにもたらしたと言われる。

西洋トチノキAesculus hippocastanum L.              トチノキ属・科

語源:ラテン語。 
aesculus: 神々の王で天界の最高神であるジュピターに捧げられた食用どんぐりのコナラの木。 hippos: 馬 

【薬効】
解熱・血管収縮作用・静脈の強壮などの効果がある。
この木の皮は、痔や静脈瘤などの場合に、毛細血管の耐性を高め、その浸透性を減少させる。
動脈硬化・卒中・心臓発作・循環器系機能低下・静脈炎などにも効く。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児、また、腎臓に疾患のある人は使用避ける。
過剰摂取は、不安・頭痛・半睡状態での精神の錯乱などを引き起こす可能性がある。
また、消化吸収する際に、胃腸のトラブル・吐き気・腹痛・下痢を引き起こす可能性もある。
この木の実は、有毒である。

2010年5月18日火曜日

コンフリー

かつて、負傷した兵士の傷を癒すのに、このコンフリーの根が使われていた。
コンフリーには、アラトインとピロリジンというアルカロイド類が含まれており、
アラトインは、細胞の再生を活性化する働きがあり、化粧用クリーム・傷薬のクリームなどに利用されている。

アルカロイド類は、肝臓障害と腫瘍を引き起こすため、内服は避ける。

コンフリー              ヒレハリソウ属 ムラサキ科
Symphytum officinale L.        俗名:傷のハーブ 、ロバの耳

語源:ギリシャ語。 symphy: 結合する 
   ラテン語。  officinale: 薬用の

【薬用】
抗炎症・傷の治癒・細胞組織の修復などの効果がある。
肌のトラブルである、できもの・せつ・あかぎれ・乾癬・湿疹・ただれ、また、やけど・ちょっとした傷・捻挫・すじ違い・腱炎・静脈瘤・静脈瘤潰瘍・関節炎・内痔核・骨折・授乳中の乳房痛などに効く。

≪注意≫
アルカロイドを含有しているため、内服は禁止。

2010年5月14日金曜日

クロフサスグリ(ブラックカラント)

18~19世紀、イギリスでは茶の代用品として、このクロフサスグリの葉を使っていた。
葉にはタンニン、実はビタミンCを豊富に含んでいる。
喉の重度な炎症である扁桃膿瘍(クインシー)の治療に利用されていた事から、英名ではクインシーベリーと呼ばれる。

クロフサスグリ    スグリ属 ユキノシタ科
Ribes nigrum L.

語源:デンマーク語。 ribs: スグリの木
   ラテン語。   nigrum: 黒

【薬効】
抗炎症・抗壊血病・収斂作用・利尿・末梢血管強化・細菌感染除去作用などの効果がある。
葉は、痛風やリューマチなどの場合に、関節の痛みを和らげる。
また、風邪・口内そして喉の感染症にも有効。

クロフサスグリのジュースは、オレンジジュースの3倍のビタミンCを含む。
果実の種から採れるオイルは、オメガ3・6を豊富に含み、乾燥肌に水分を与える。

【利用法】
〈お茶〉~慢性のリューマチに効くお茶~
クロフサスグリの葉100g、西洋トネリコの葉50g、西洋夏雪草50gを混ぜ合わせたもののスプーン1杯をカップ1杯の熱湯で10分浸しおく。その後、葉を取り出し、1日に3~4杯頂く。

〈料理〉実と実のエキスは、デザートやジャム・ゼリー・飲み物・リキュール等に。

≪注意≫
葉にタンニンを含有していることから、妊婦は使用避ける。

2010年5月11日火曜日

ペパーミント


花言葉は、”美徳”。
豊富に揮発性オイルを含んでいるミント類。
その代表的なものがメントール。これがミントの香りを特徴づけている。
この成分は、冷却性でもあり、同時に加温性でもある。
ミントの種類の中で、このペパーミントに際立って含まれている。

ペパーミント        ハッカ属 シソ科
Mentha x piperita L.


語源:ラテン語。 Mentha: ギリシャ神話の水の精メンテーより , piper: こしょう
            x:交配種を示す。
ペパーミントはウォーターミント(Mentha aquatica) とスペアミント(Mentha spicata)の交配種。 

【薬効】
鎮痙・消化機能促進・腸内ガスの排出促進・発汗促進・穏やかな麻酔作用、そして爽快な気分にさせてくれるなどの効果がある。
胃潰瘍・胃腸炎・過敏性腸症候群・疝痛・熱のあるインフルエンザ・風邪などに有効。
また、二日酔いによる吐き気や乗り物酔いにも効く。

外用として、副鼻腔炎・カタル・喘息・皮膚のかゆみ・火傷・白癬・神経痛・リューマチ、そして虫除けに。
*過剰摂取は粘膜に炎症を起こす。幼児には、どのような形でも与えてはいけない。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯にスプーン1杯の葉を、熱湯に10分浸しおく。
    その後、葉を取り出して飲む。1日に2・3杯。

〈ホットミントミルクティー〉牛乳200ccに刻んだ葉を大さじ1。安眠剤に。

〈料理〉冷たい飲み物・サラダに。

〈ポプリ〉乾燥葉はポプリとして利用。
     また、サシェに入れ、虫除けとしてタンスにどうぞ。

〈虫除け〉数枚の葉を枕の下に入れると、虫除けとなり、また安眠効果も。

〈化粧水〉1Lのお湯に15gの花と葉を15分浸したものを、化粧水として。
      毛穴を収縮させ、皮膚組織を引き締める効果がる。

≪注意≫
エッセンシャルオイルは、妊婦・授乳中の女性・7歳以下の幼児・また癲癇患者は、使用を避ける。


 

2010年5月7日金曜日

レモンバーム

”脳の特効薬”と言われ、脳の働きや記憶力を高め、憂鬱な気分を払ってくれるハーブ。
レモンバームのハーブティーは、長生きのハーブティーとしても知られる。

中世では、寝る前に、このハーブティをハチミツで味付けし、よく飲まれていたと言う。

レモンバーム        俗名:フランスのお茶
Melissa officinalis L.           セイヨウハッカ属 シソ科

語源:ギリシャ語。 Melissa: みつばち

【薬効】
消化促進・鎮痙・鎮静・発汗・強壮、また腸内ガスの貯留の排出を促進する効果がある。
風邪・頭痛・不眠・呑気症・消化不良・吐き気などに効く。
鎮静・鎮痙効果により、心配症・神経的発作(ヒステリー)・激情的に泣くような身心状態・過労・過剰な興奮などの場合に、神経組織を強化してくれる。

また、ヘルペスのウイルスに効く抗ウイルスの作用を持つ。

【利用法】
〈料理〉生の葉は、サラダ・スープ・ソース・ハーブ酢・ドレッシング・オムレツ・鶏や魚料理に。
また、冷たいお菓子や飲み物にも利用され、ゼリー・ジャム・プディング・ババロア・フルーツパンチにも、どうぞ。
お手軽に、ヨーグルトやオレンジジュースにも浮かべてどうぞ。

〈蜂刺され〉ミツバチやスズメバチに刺された時に、針を取り除いた後に、レモンンバームの新鮮な葉をもんで傷口に。

〈美容〉乾燥肌をしっとりさせ、シワの予防に。
    1Lのお湯に、葉を芽10gを浸す。それを漉したものを冷やし利用。

〈お風呂〉葉を湯船に浮かべて、身心をリラックス。肌をなめらかにしてくれる。

〈リンス〉葉の浸出液は、油っぽい髪用のリンスに。しっとり効果。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児、また甲状腺機能の不全の人は使用避ける。

2010年5月4日火曜日

桜桃の木(セイヨウミザクラ、スミミザクラ)

Prunus の仲間には、梅を初め、桃・アプリコット・プルーン・アーモンドなどがあり、薬用として鎮咳・緩化剤・利尿・下剤・解熱・発汗促進などに、古くから利用されている。

サクランボの蒸留酒として知られるキッシュは、Prunus avium L. 小粒で甘い黒い野生の桜桃から作られる。

桜桃の木    サクラ属 バラ科
Prunus cerasus L. (Cerasus vulgaris L.)

語源:ラテン語。 prunus: スモモの木 , cerasus: セラスス 又は セラソントという桜桃の木を持ち帰った古代ローマの将軍の名より


【薬効】
利尿・緩化剤・泌尿器系の鎮静などの効果がある。
サクランボの花柄の部分は、痛風・水腫症そして尿管結石症などの症状に、
浄化剤・利尿剤として効く。
サクランボの実は、便秘の時に、緩化剤として有効。

【利用法】
〈お茶〉利用前に花柄を12時間、水の中に浸しておく。
    その後、その花柄を取り出し、スプーン1杯の花柄に対して1/4Lの水で5分間煮る。
    その後、火を止め、そのまま10分置き、花柄を取り出す。1日に3杯。食間に。

≪注意≫
花柄は、妊婦・授乳中の女性・幼児は使用を避ける。

2010年4月29日木曜日

西洋サンザシ

ギリシャ神話では、グレゴリオ暦の5月の名前となった春の女神”マイア”に
この花が捧げられていた。
ヨーロッパでは、中世から、心臓病に効く薬草として使われていた。

西洋サンザシ       サンザシ属 バラ科
Crataegus oxyacantha (又は laevigata) L.          俗名:5月の木

語源:ギリシャ語。 krataigos: サンザシ属の植物(crat: 力強い , aegus: もつ)
          oxus: 鋭い , akantha: トゲ

【薬効】
鎮痙・鎮静・催眠・血圧を下げるなどの効果がある。
この花は、神経性による心拍数の増加(頻拍)の時に、心臓の興奮状態を和らげ、
一般に、心臓のリズムを整えてくれる。
また、突発的な紅潮(ほてり)・いらいら・動機などを引き起こす更年期の症状にも効く。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に、ティスプーン1杯の花を。熱湯で5分おく。
    その後、花を取り出し、ハチミツで味付けを。1日に3杯、または、就寝前に1杯。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用を避ける。
高血圧・心臓病の人は、医師の判断の元、使用が必要。

2010年4月27日火曜日

クルマバソウ


とても心地よい香りを放つことで知られ、幾種かのタバコの香付けにも使われている。
葉が乾燥する時には、刈ったばかりの干し草の香りがする。

ドイツ・ベルギー・フランス・ルクセンブルグ・スイスなどの国のある地方では、5月になると伝統的なワイン
 ”マイトランク”を作るのが習慣。
白ワインに、この花を浸したもので、消化促進・利尿・強壮などの効果がある。

クルマバソウはアカネ科の植物。
アカネ科の植物は、染色に使われる植物でもあり、
このクルマバソウも根に赤い色素を含んでいる。

クルマバソウ
Asperula odorata L.( Galium odoratum L.)    俗名:森のスズラン、スイスのお茶

語源:ラテン語。  asper: きつい、激しい , odoratus: 香り

【薬効】
鎮静・消化促進・利尿・血行促進・強壮などの効果がある。
神経が高ぶったり・苛立ってる時、ストレスがたまっている時に、神経を和らげてくれる。
また、肝臓機能の促進・鎮痙・末梢血管強化・血液凝固抑制作用などもある。

血栓静脈炎・静脈瘤・胆道閉塞症・肝炎・黄疸・小児の不眠に内服。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に、ティスプーン1杯の花。熱湯に10分浸す。その後、花を取り出し、ハチミツで味付けを。食間に1日3回。または就寝前に1杯。

〈料理〉花は、サラダ・デザートそして飲み物などに。
 
〈止血〉傷口の止血に、もんだ若葉を。

2010年4月23日金曜日

プルモナリア

プルモナリアの葉が、肺の胸膜に似ていることから、
肺・呼吸器系の疾患に効く薬草として知られる。
植物の形態・植生地などは、ある意味を持ち、
天地からのある種の啓示が隠されているという思想がある。
これを「特徴説」といい、類似学の一説で、16~17世紀のヨーロッパで盛んになった。

プルモナリア
Pulmonaria officinalis L.      俗名:肺に効くハーブ、イエルサレムのセージ

語源:ラテン語。 pulmo: 肺 , officinalis: 薬用の

【薬効】
収斂作用・利尿作用・発汗促進・呼吸器系疾患に効くなどの効果がある。
気管支炎・喉頭炎・咳・結核などの呼吸器系疾患に。
また、下痢にも有効。

【利用法】
〈お茶〉ティーカップ1杯に、スプーン1杯の葉。熱湯に10分蒸らす。
    その後、葉を取り出し、ハチミツで味付けを。1日に3杯。

〈料理〉花は、サラダや飲み物に。若葉は、サラダやスープに。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用避ける。
肌に触れると、皮膚がかぶれたり、アレルギーを起こすことがある。

2010年4月20日火曜日

ボリジ


砂糖菓子や飲み物に少し浮かべたりして、見ているだけで、この花の美しいブルーに魅了され、癒される。
コスメテッィク用品にもよく用いられているボリジ。
精神を高める効用もあると言われ、ボリジのシロップは、心を慰め、憂鬱を晴らし、取乱した又は気の狂った人を落ち着かせるという。

勇気の象徴としても扱われ、十字軍の兵士達は出征する時に、このボリジの花を浮かべた杯をかわしたという。

ボリジ        俗名:ミツバチのパン、牛の舌
語源: burra: 毛の多い衣服(毛の多い葉を指す)
またcor: 心臓 , ago: 追い立てる・動かす(この花に強心剤としての効用があることから)

【薬効】
美容・発汗促進・炎症を起こした組織を和らげる効果などがある。
かつては、咳・急性の経度の気管支炎を治療するのに使われていた。
美容として、老化防止などに利用されていて、肌を再生する力や乾燥肌・生気のない肌・疲れた肌に柔らかさ・弾力性・爽快感を与える。

【利用法】
〈料理〉生の花は、萼を取り、サラダやデザート・飲み物・砂糖菓子・ケーキなどに使う。
    若葉もサラダに利用できる。キュウリに似た香りがする。
    又、少し大きくなった葉は、フリッターにして鶏・魚料理のお供に。

〈お風呂〉葉の浸出液を浴用剤として利用する。
     肌をしっとりさせ、、むくんだ足を和らげる効果がある。

〈シロップ〉花のシロップは咳き止め・去痰に。

〈湿布〉する潰した葉は、打ち身・捻挫に。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用避ける。
アルカノイドを含むことから、肝臓に疾患のある人も使用避ける。

2010年4月16日金曜日

プロポリス

ミツバチ達の産物の1つであるプロポリス。
プロポリスは、ミツバチがコナラ・スモモ・トネリコ・ポプラ・ニレ・ヤナギ・カバの木・モミの木などといった木々の新芽や樹皮とミツバチが分泌する唾液性分泌物を混ぜて作られる。
このプロポリスは巣箱の入り口に蓄えられていて、伝染性の要因となるものから巣箱を殺菌して守ったり、侵入してくる虫達の死骸を防腐処理するために用いられている。
ミツバチは、なんといっても清潔好き!

プロポリス
Propolis

語源:ギリシャ語。 pro: 前に , polis: 都市・集合住宅地
プロポリスが巣箱の入り口に蓄えられていることから。

【薬効】
殺菌・免疫活性・傷薬・抗生物質などの効果がある。
免疫を強化する自然の抗生物質であり、消毒薬・殺菌剤である。
秋や冬の治療として、呼吸器系の疾患を防いだり、癒す効果がある。
プロポリスのポマードは、ケガ・ヤケド・切り傷に有効。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は医師の判断の元の使用が必要。
プロポリスにアレルギーを示す人もいる。
3週間を超える治療は行わない。

2010年4月14日水曜日

ロイヤルゼリー

ギリシャ神話に、アンブロシアというオリンピアの神々の食物で不老不死の霊薬がある。
古代ギリシャ人達は、アンブロシアにはロイヤルゼリーが含まれていると信じていた。

ロイアルゼリー          俗名:蜂の牛乳
語源:女王蜂が、生涯にわたって与えられる食物であることから。

【薬効】
食欲増進・活力剤・免疫活性などの効果がある。
精神的または身体的、そして知能的に活動を活性化する。
気分を良くし、ちょっとした憂鬱な感情を抑え、過剰な情動を減らす。
やる気や仕事への意欲といったものを強くする。
病後の回復期や疲労困憊した人などに活力を与える。
集中力や記憶力を高めてくれる。
免疫システムを強化し、冬の病気に対抗する。

病後の回復・疲労・ストレス・過労、そして学生の試験時期などに特に勧められる。

【摂り方】
基本的な摂り方として、春と秋の2週間摂取する。空腹時に(食前)。

≪注意≫
ロイヤルゼリーは、食欲を著しく増大させる。

2010年4月13日火曜日

ミツバチ花粉

何千年も前の昔より、人はミツバチ達が作り出す産物の治療的効果をうまく活用している。

ミツバチ達が忙しそうに働きだす姿を見かけるこの季節、春の賑いを大いに駆り立ててくれる。
ミツバチの働きは、花粉やハチミツ・プロポリスなどにとどまらず、地球上の顕花植物にもたらす影響は多大なもの。多くの植物の交配を助け、私達に偉大な産物を様々にもたらしてくれている。

花粉  
Granum pollinis

語源:ギリシャ語。  pale: 花粉


【薬効】
優れた栄養補助食品。
食欲増進・滋養剤・ミネラル&ビタミン補強剤・強壮剤であり、抗生物質を含む。

① 完全な栄養補給源
② 抗酸化作用
③ 体力回復・疲労改善(特に病気回復期の急速な体質強化)
④ 成人病予防
⑤ 前立腺炎・前立腺肥大予防改善
⑥ 大腸菌・特定サルモネラ菌に対し有効に作用する抗生物質
⑦ 血中ヘモグロビンの増加(病人・特に小児の貧血症に)
⑧ 整腸効果
⑨ 強精作用
⑩ 糖尿病改善
⑪ 更年期症候群
⑫ 食欲不振→食欲増進
⑬ 体重減退・虚弱症
⑭ 放射線障害(ガン治療による)
⑮ 月経困難症・不妊症
⑯ 皮膚疾患
⑰ 高脂血症・高血圧症
⑱ 関節リューマチ
⑲ 抗腫瘍作用(腫瘍発生抑制・腫瘍発育防止・化学療法の副作用を軽減など)
⑳ 免疫力賦活化作用(白血球数増加・風邪にかかる頻度の低下)

以上の花粉の効果は、臨床実験で行われた上記の疾患を含め、“心理的に幸福感を与える作用”もあり、こうしたこと全般を含め、『全般的な活力の増強』という効果がある。

【摂り方】
朝:大人スプーン1杯(子供半分)をそのままどうぞ。
そのままでは食べにくい場合は、ヨーグルトやサラダ・ジャム・ミルク・コーヒーなどに入れ召し上がれ。

基本的な摂り方としては、春と秋の2回の3カ月摂取する。
毎日、摂る場合も問題はない。

≪注意≫
ミツバチによる産物にアレルギーのある人。

[おまけ]
花粉によって引き起こされる花粉症は、風媒花粉によるもの。ミツバチによる虫を媒体とした虫媒花粉は、栄養的にも治療的にも優れた特質をもつ。

2010年4月3日土曜日

カラクサケマン


欧州原産の1年草。
ヨーロッパでは、よく道端・畑・庭などによく生えている雑草の1つ。
古代より、肝臓に良い効果があることで知られている。
花の咲き始めに、地上部全体を刈り取り、束にして吊るし、日陰で乾燥させ利用する。

カラクサケマン
Fumaria officinalis L.            俗名:黄疸に効くハーブ

語源:ラテン語。   
fumus terrae: 土から立ち上る煙・水蒸気・もや(のようなものを連想させることから)

【薬効】
胆汁の分泌&排出を促進・浄化作用などの効果がある。
肝臓・胆嚢の機能を改善し、利尿作用・緩化作用・消炎作用もある。
皮膚疾患(湿疹・皮膚炎など)にも内用・外用共に利用される。
外用として、結膜炎に有効。

【利用法】  地上部全体を利用
〈お茶〉コップ1杯に対し、ティースプーン1杯の地上部を。熱湯に15分。
その後、植物を取り出し、ハチミツで味付けを。
1日に2杯。食前に。服用は1カ月に1週間。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用避ける。
過剰摂取、また8日以上の摂取は、眠気・赤血球の破壊・やせすぎなどの支障を引き起こす。
また、赤ワイン・タンニンとの服用は避ける。

2010年3月29日月曜日

オドリコソウ

ある伝説的なギリシャ神話のお話。
ゼウス神は、ラミアという女性をその美貌より、愛してしまう。そして子供をもうける。
ゼウス神の妻であるヘラは、その二人に出来た子供を殺してしまう・・・
ラミアは狂気にさいなまれ、子供を食う”人食い鬼”と化してしまう。。
ギリシャ神話に夢中であった植物学者達が、この花をその花の形から、この名前(学名)をつける。
形態学上、花の形が、大きく開いた口を連想させることから、”人食い鬼の口”と。

オドリコソウ
Lamium album L.

語源:ギリシャ神話より。 Lamia: 伝説上の人食い鬼。
   ラテン語。       album: 白 

【薬効】
収斂性・消化促進・血管収縮作用などの効果がある。
月経過多・月経困難症・分娩後の出血・膣のおりもの・前立腺炎に有効。
また、フケ防止の効果があり、化粧品として、シャンプーに1つの成分として含まれる。

【利用法】 花
〈お茶〉この花のハーブティは、消化器系のトラブル(鼓腸・下痢・胃腸内の鼓腸など)に効く。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用を避ける。


   

2010年3月26日金曜日

三色すみれ


春の訪れを知らせる花の1つ。
昔、人々は、この花を聖なる花と見なしていた。

イスラム教の諺にスミレを例えたものがある。
「スミレの素晴らしさは、全ての宗教に勝るイスラム教の教えの素晴らしさに匹敵する。」と。


三色すみれ
Viola tricolor L.             
俗名:ワイルドパンジー

語源:ラテン語。   viola: すみれ , tricolor: 三色の

【薬効】
浄化作用・利尿作用・緩化作用・消炎作用・解熱・解毒・去痰・鎮痛・治癒促進などの効果がある。
排泄機能を刺激し、体内の毒素・排泄物の排出を促進する。
顔色を良くさせ、ニキビ・湿疹・脂漏を減少させる。
便秘時には、緩化剤として効く。

また、気管支炎・百日咳・リューマチ・皮膚疾患・泌尿器疾患・自己免疫疾患などにも有効。

外用として、皮膚疾患・静脈瘤潰瘍に効く。

【利用法】
コップ1杯に対し、スプーン1杯の三色すみれ(植物全体を利用できる)を、10分煎じる。
その後、スミレを取り出し、ハチミツで味を調節。1日3杯。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用を避ける。
服用後、尿にひどい臭いがする時がある。

2010年3月23日火曜日

なずな

食用として古くから利用されている。
BC59~50年にまで遡るチャタル・ヒュユク遺跡(現在のトルコ共和国)から発見されている。

第1次世界大戦時、薬の供給に欠いている時、医療チームはナズナの止血作用の効果を再認識したという。

なずな
Capsella bursa-pastoris L.         俗名:ぺんぺん草、羊飼いの財布

語源:ラテン語。  capsula: さく果 , bursa-pastoris: 羊飼いの財布
ナズナの実は、ハートの形をした羊飼いの皮でできた昔のカバンを連想させる。

【薬効】
収斂作用・止血作用・利尿作用などの効果がある。
かつては、血友病患者への治療薬とされていた。
歯ぐきの出血にも有効で、また、月経過多・内痔核・鼻血・外傷などにも有効。

中国漢方では、高血圧・産後の出血にも利用する。

【利用法】
〈料理〉ビタミンA・B・Cを多く含みむ葉は、サラダに☆

〈ワイン〉地上部の部分:200g
     白ワイン:1L
8日間、白ワインの中にナズナを浸しおき、その後、ナズナを取り出し、ビンにつめる。
血液の流出を調節するために、毎時間スプーン1杯。

〈治癒薬〉ナズナを煎じた煎薬は、傷の癒着を促す。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用を避ける。

2010年3月19日金曜日

すぎな

スギナの灰は、木や銅・スズを磨く研磨剤として利用される。
これはスギナに研磨剤となるシリカが多く含まれていることによる。
スギナはトクサ属の1種で、トクサ属の中に金を含む組織がある種類があり、金を追い求める探鉱者は、これを目印にしたと言う。

すぎな
Equisetum arvense L.

語源:ラテン語。  equus: 馬 , seta: 絹・絹糸 , arvense: 畑・耕地
   スギナの茎は形態学からすると、馬の尾(しっぽ)を連想させる。

【薬効】
収斂性・利尿性・止血性・傷の癒着を促すなどの効果がある。
関節の病気(リューマチなど)の際、軟骨の回復(復元)を促進し、結合組織・骨組織の回復を活発にする。
骨折や骨粗鬆症の際の、骨の補強・強化を助ける。
また、皮膚の老化(しわなど)を遅らる効果や抜け毛・がさがさした爪などにも有効。

泌尿生殖器系に効果も持ち、前立腺・失禁・膀胱炎・尿道炎などの場合に服用する。
*ただし、刺激が強いため、これを緩和する他の植物と合わせ、短期間の使用にとどめる。

≪注意≫
ニコチンを含有することから、妊婦・授乳中の女性・幼児の使用は避ける。

2010年3月15日月曜日

西洋たんぽぽ


スウェーデンの植物学者カール・リンネ(1707~78)は、西洋たんぽぽのことを、
”遅くに起床し、早くに就寝する植物の時計”と言っている。
頭状花序の花を9時頃に開き、18時頃には閉じる。
花は、日のよく当たった頃に花を開かせ、雨の時には花を閉じる。

フランス語で、Pissenlit(ピサンリ)と呼ぶ。
"pisser dans le lit" の略で、ベッドの中でおしっこをする、という意味。
これは、とても強い利尿作用を持つことから来ている。

西洋たんぽぽ
Taraxacum officinale Weber          俗名:ダンデライオン

語源: taraxacum は、ギリシャ語から。taraxis: 目の病気 , akeomai: 治す
    ラテン語より、officinale: 薬効のある植物。

【薬効】
胆汁の分泌&排泄の促進・浄化作用・利尿作用・健胃作用がある。
食欲不振や胃もたれ・便秘・腸機能の低下などに有効。
春の治療の薬草として、優れた体内の浄化作用(デトックス効果)がある薬草の1つ。
ニキビ・水腫症・せつといった原因となる毒素の排出を促す。

外用では、ヘビの咬まれ傷に利用。

中国漢方では、乳房・肺の腫瘍・乳腺炎・膿瘍・黄疸・肝炎・尿路感染に利用されている。

【利用法】
〈お茶〉コップ1杯に対し、スプーン1杯の根を5分煮る。その後、根を取り出して、食前にどうぞ。1日3回。

〈料理〉若い葉や花はサラダに。葉は、ほうれん草のように料理をしたり。

2010年3月12日金曜日

キバノクリンザクラ

春を告げる花々の1つであるキバノクリンザクラ。
プリムローズ(Primula vulgalis)と共に、古くから薬用に利用されている。
痙攣・急な腹痛・麻痺・リューマチ痛に効くとして用いられてきた。
「花とナツメグを混ぜたものは全ての頭の病いに効く。」17世紀の薬剤師ニコラス・カルペパー。

キバノクリンザクラ
Primula veris L.

語源:ラテン語。 primulus: 初め , veris: 春の

【薬効】
花(萼なし)と根っこは、鎮痙・鎮静・去痰・消炎作用などの効果がある。
気管支炎・から咳・百日咳・関節炎・不眠・頭痛・情動不安(小児)等に、有効。

外用として、顔面神経痛・関節炎・偏頭痛・日焼け・しみ・そばかす・しわなどに。
また、花のオイルは、打撲傷・捻挫に効く。

【利用法】
〈お茶〉花:スプーン1杯の花をコップ1杯の熱湯に10分。
      その後、花を取り出し、ハチミツで味を調節。食後に1杯。
    
    根:ティースプーン1杯の根を、コップ1杯の湯で2分煮る。
      火を止め、さらに10分おく。その後、根を取り出し、ハチミツで味を調節。

〈料理〉生の花をサラダやジャム・砂糖づけなどに。
    葉は、温野菜にどうぞ。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児、また、抗凝血剤を服用している人・アスピリンにアレルギーのある人は使用禁止。
又、過剰摂取は、嘔吐・目眩を引き起こす可能性がある。

     

2010年3月8日月曜日

アメリカマンサク (ウィッチヘーゼル、ヴァージニアハマメリス)

アメリカインディアンは、このハマメリスの木で魔術のステッキ(棒)を作っていたと言う。
モホーク族は、眼のケガの洗浄剤として、樹皮を浸した水を利用していた。
アメリカインディアンの部族の間では、ハマメリスの薬効はよく知られており、この事が後に、入植者に伝わり、米国薬局法・米国国定処方書に受け継がれた。

アメリカマンサク
Hamamelis virginiana L.      俗名:魔法使いのハシバミの木

語源:ラテン語。 hamatus: 掛け釘、フック,  melimelum: 甘いリンゴ
            virginiana:アメリカヴァージニア州


【薬効】
収斂性・血管収縮性・止血性効果などがある。
毛細血管を守り、強化し、抵抗力を増させる。こうしたことで、静脈の機能不全のトラブル(足のだるさ・痔・静脈瘤など)を緩和させる。

内服として、下痢・赤痢・内痔核・膣のおり物・月経過多・胃または肺の出血などに有効。
外用として、静脈瘤・捻挫・打撲・火傷・内痔核・乳首の痛み・筋肉痛・眼と喉の痛みに有効。

【利用法】
〈お茶〉コップ1杯に、ティースプーン1杯の葉を2分煮る。その後、葉を取り出し、ハチミツで味を調節する。1日に2杯。

〈化粧水〉化粧用品にも用いられており、赤ら顔を和らげ、開いた毛穴を引き締める効果がある。

≪注意≫
過剰摂取は頭痛を引き起こす可能性がある。
又、消化不良の症状を訴える人もある。

2010年3月5日金曜日

ニオイすみれ

花言葉は『愛』。
古代ローマの人々は、ニオイすみれ風味のワインを飲んでいたといわれる。
キリスト教の人々にとっては、「悲しみの花」。
イエス・キリストが十字架に架けられた、その影がこの花に写ったことからと。。。

ナポレオン1世は、この花を大変好み、妻のジョセフィーヌに贈り続けた。
ニオイすみれは、花としても、香水としても、また砂糖菓子としても人々を喜ばせることより、
フランスのトゥールーズでは、毎年ニオイすみれの花の伝統的なお祭りが行われる。

ニオイすみれ
Viola odorata L.                       

語源:ラテン語。 
viola: スミレ,   odorata: 芳香を放つ

【薬効】
呼吸器疾患に効く代表的な薬草7つの内の1つ。
気管支炎・カゼ・咳・喘息などに有効。
他、炎症を和らげたり、痰の排出を良くし、発汗を促す作用、抗ガン作用がある。
芳香による心理的効果としては、神経疲労・興奮を和らげる。
また吐き気を催す作用もあり、この事は、昔、ニオイすみれの根を煎じ、食中毒の場合に勧められた。

【利用法】
〈シロップ〉1Lの熱湯に100gの花を加え、一晩寝かせる。
   その後、花を取り出し、1kgの砂糖を加え、シロップ状になるまで湯煎で煮詰める。
   1日に3~4杯、このシロップを。

〈料理〉生の花を、そのままサラダやデザートに。

〈湿布〉痛風:お酢につけた茹でた葉を患部にあてる。
    打撲:生の葉をそのまま患部に。

〈美容〉沸騰した牛乳250ccに葉をひとつかみ加え、2~3分浸出させる。

〈洗浄液〉花の浸出液は目の洗浄、うがい薬として口内の洗浄に。

2010年3月2日火曜日

ニンニク

中世ヨーロッパのある諺に、「悪いものを追い払いたければ、ニンニクを植えよ。」というものがある。
ニンニクは、その匂いにより、古くから良い意味にも悪い意味にも解釈されてきた。
とても古い歴史を持つハーブの1つで、ツタンカーメンのお墓からも発見されたと言われる。

ニンニク
Allium sativum L.       俗名:貧しい人々の薬

語源:ラテン語。  Allium: ニンニク, sativum: ラテン語 sativusー耕作された、より。

【薬効】
抗ウイルス・抗バクテリア、血流を良くする、心臓のリズムを正常化する強心作用、血糖値・血圧・コレステロールを下げるなどの効果。
真の万能薬として知られ、風邪・インフルエンザ・気管支炎・百日咳・胃腸炎・赤痢、また細菌感染予防としても有効。
外用では、ニキビ・ウオノメ・肌荒れ等にも利用。

近年では、糖尿病の糖(グルコース)の代謝を下げ、動脈硬化の悪化を遅らせ、心筋梗塞患者の心臓発作の危険度を下げることが確認されている。

【利用法】
多くの肉・魚料理、又、野菜料理にも広く利用される。

〈コンパニオンプランツ:共に植えると相性の良い植物〉
     ニンニクとバラ:バラの香りを良くし、黒点病を防ぐ。
     ニンニクとキュウリ:つる割れ病を防ぐ。
     ニンニクとナス・トマト:青枯病・立ち枯れ病を防ぐ。
    
    桃やりんごの木とも相性が良い!
    ニンニク自体にアブラムシを防ぐ効果がある。

〈病害虫予防スプレー〉ニンニク入り木酢液
   木酢液1Lに、ニンニクすりおろし200gを3~6カ月漬ける。
病害虫:ウドンコ病・べと病・サビ病・炭そ病・黒星病・輪もん病・アブラムシ・ハダニ・マメコガネに効く。
  
≪注意≫
胃炎に苦しむ人は利用をさける。
糖尿病で薬を服用している人は、薬との相互作用の点で、医師の助言必要。
妊婦・授乳中の女性・幼児、使用注意。
過度の摂取は、胃を痛め、尿道の炎症を引き起こす。


   

2010年2月26日金曜日

シナモン


スパイスの中で、かつてシナモンは最も貴重な樹皮と珍重されていた。
現在は、世界各地でこのスパイスは広まっている。時代を少し遡ってみると、シナモンは植民地の拡大競争に重要な位置を占めていた。

シナモン
Cinnamomum zelyanicum Nees

語源:ラテン語。 canna: アシ・ヨシ 又は 管・パイプ
ラテン語の Cinnamomum は、ギリシャ語の kinnamon:聖書のシナモン、から。
  Zelyanicum: セイラン(現在のスリランカ)原産を意味する。
  Nees: ドイツの分類学者 Nees Christian von Esenbeck より。

【薬効】
殺菌・腸内ガス排出の促進・消化促進・強壮・催淫などの効果がる。
冬に、インフルエンザ・風邪・悪寒、また熱のある体の節々の痛みのある時などに、体を温めてくれる。
呑気症や消化不良といった消化管のトラブルを緩和する働きもある。
血糖値の降下・下痢・吐き気・胃腸炎・高血圧・リューマチ・カンジタ症・感染予防にも有効。
*妊娠中に使用してはならない。

【利用法】
シナモンは料理・菓子類・薬品などなどに広く利用されている。

〈ワイン〉 シナモン      50g
       砂糖        150g
      バニラビーンズ   30g
      ワイン(ボルドー)  1L
ワインにシナモンを浸け、7日間おく。その後、シナモンを取り出し、砂糖・バニラビーンズを加える。

≪注意≫
シナモンのエッセンシャルオイルは、妊婦・授乳中の女性・幼児は使用禁止。
医師の助言・指示が必要。

2010年2月23日火曜日

生姜

古来より薬用・治療用にと利用されてきた生姜。
アーユルベェーダでは、生姜は万能薬として知られる。
中国漢方にも多く処方されている1つ。

生姜は定期的に食することで若さ・元気を保つと言われる。

生姜
Zingiber officinale Roscoe

語源:ラテン語。 zingiber:しょうが(これはサンスクリット語のZingabera:角の形をした、から来ている)

【薬効】
殺菌・食欲増進・腸内ガスの排出の促進・消化促進・解熱などの効果がある。
カゼや悪寒がする時などに、殺菌・解熱の治療薬として知られる。
生姜は性的無力症に効く催淫性スパイスとしても知られる。
又、乗り物酔い・吐き気・疝痛・腹部の冷え・末梢循環の不良などにも有効。
*皮膚炎・消化管潰瘍・高熱の患者には使用してはいけない。

【利用法】
〈お茶〉コップ1杯対して、ティースプーン1杯のおろし生姜。3分煮る。その後、生姜を取り出しハチミツで味を調節。このお茶は強いので、ゆっくり召し上がれ。

〈料理〉肉・魚料理・カレー・チャツネ・ピクルス・マリネなどに。
    又、乾燥粉末の生姜はケーキ・ビスケットにも。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用注意。
*過剰摂取は、腸内の痙攣を突発させる恐れがある。

2010年2月15日月曜日

イヌノイバラ(ワイルドローズ)

バラの花言葉は、『愛らしい』。
花の女王と言われるバラは、古来より儀式・薬用品・化粧品・香水などに利用されてきた。
クレオパトラは、美しさを保つ為に、毎日、摘みたてのバラでたっぷり満たしたお風呂に入っていたという。
第二次世界大戦時、スカンジナビアの人々は、柑橘類の供給に不足していた為、ワイルドローズの実であるローズヒップのジャムをビタミンCの補給に摂取していた。

イヌノイバラ
Rosa canina L.    俗名:ドッグローズ

語源:ラテン語。 rosa: バラ , canina: 犬
(昔、ワイルドローズの実は、狂犬病に効く解毒剤として、迷信として一時期信じられていた。) 

【薬効】
収斂性・解熱・強壮などとして知られ、ビタミンCを豊富に含んだローズヒップは、冬の病気に戦う(効く)ものとしても知られる。気管支炎・インフルエンザ・カゼ・寒気の時など、熱を下げる効果がある。又、無力症・衰弱・そして、全般的な疲れに活力を与えてくれる。下痢・胃炎・軽い伝染性疾患・壊血病などにも効果がある。

【利用法】  
〈お茶〉10粒程の砕いた実と250mlの水で5分煮る。火を止め、さらに5分そのまま置く。その後、実を取り出し、お好みでハチミツと。お昼・夜に熱~いローズヒップ茶をどうぞ。

〈料理〉花を砂糖づけ・ジャム・シロップ・サラダ・デザートにも。

〈美容〉ローズウォーター: シワの予防・肌を清潔に保つ。
    (又、結膜炎の時にローズウォーターで目をこれで洗うと充血・かゆみがとれる。)
    バラのクリーム: しみ・シワに効果。
    ローズヒッピオイル: ビタミンAが豊富で、皮膚の細胞を回復させる働きがあり、
       乾燥肌・肌の老化・しみ・ひびわれ・傷跡・やけど・日焼け等に効果がある。

〈マッサージ〉ローズウォーターをキャリアオイル(ホホバオイル・スイートアーモンドオイル等)と混ぜて、マッサージをすると、血行を良くし、血液の浄化の作用もある。

2010年2月12日金曜日

ユーカリ

初期の探検家達がオーストラリアに到着した時、壮大なユーカリの森林を発見し、「青い霧の国」と名付けたと言う。
エッセンシャルオイルは、病気を伝染させる蚊を追い払う。

ユーカリ
Eucalyptus globulus Labill     俗名:熱(熱病)に効く木

語源:ギリシャ語。eukalyptos: よく, kalyptos: 覆われた

【薬効】
殺菌・苦痛を和らげる・痰の排出を促進・解熱・害虫駆除等の効果がある。気管支炎・インフルエンザ・カゼの時、熱を下げ、気管支を刺激し、通りをよくする。副鼻腔炎にも効果。
*過剰摂取は頭痛・痙攣などを起こし、死に至ることもある。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に4~5枚の葉と、熱いお湯を注ぎ、10分置く。その後、葉を取り出し、お好みでハチミツで味を調節する。1日に3杯。

〈吸入法〉ボール1杯の熱湯に、エッセンシャルオイル1~2滴を薄め、その蒸気を吸入する。1日に3回。

≪注意≫
喘息を持っている人、妊婦、授乳中の女性、幼児の使用禁止。
薬を服用している人は、薬との相互作用の点より、医師の助言が必要。
ヨウ素を含む海藻類等と拮抗する作用がある。
エッセンシャルオイルは、腎臓の障害を引き起こす可能性がある。

ローズマリー

花言葉は『記憶』。
古い伝説によると、聖母マリアがエジプトに逃れる際に、彼女がまとっていた紺碧色の美しいマントを無くしてしまう。この聖なる服が、ある花に覆われた低木の茂みに引っかかり、その茂みの小さな花々は、聖母マリアに敬意を表して、セルレアンブルー(柔らかい青・透き通った美しい青)をまとようになったとか。。

記憶・友情・誠実のシンボルであるローズマリー、ヨーロッパでは、昔、若い新婚夫婦が婚礼の儀式や祭りの際に、ローズマリーの冠を被っていた。

ローズマリー
Rosmarinus officinalis L.    俗名:海のバラ

語源:ラテン語。 ros: 露 ,  marinus: 海の、海辺の 


【薬効】
ローズマリーは万能薬として知られ、鎮静・鎮咳・腸内ガスの排出の促進・胆汁の増進・消化促進・月経促進・強壮等の効果がある。
肝不全・精神的又は身体的過労・発熱・精神不安定・不眠等にも効果がある。
*ただし、過剰摂取は、痙攣、妊娠中の場合は流産の原因となる。
 
【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に対して、ティースプーン1杯の葉を熱い湯と共に入れ10分煎じる。
    その後、葉を取り出し、お好みでハチミツや砂糖で味を調節する。食後にどうぞ。
 
〈料理〉生又は乾燥葉をお肉料理・魚料理・ジャガイモ料理・スープ・シチューの香味料に。
    ビスケットやジャム作りに粉末を。ワイン・オリーブオイル・お酢等に浸しても。

〈美容〉お風呂に乾燥葉250gを入れる。血行を良くし、肌を活性化してくれる。

〈マッサージ〉ローズマリーオイルは、リューマチの痛み・関節炎・神経痛を和らげる。

〈焚く〉 樟脳の香りを持つローズマリーは教会や病院などで、空気を清浄化するために焚かれていた。

≪注意≫
エッセンシャルオイルは、妊婦・授乳中の女性、幼児は使用禁止。