2010年4月29日木曜日

西洋サンザシ

ギリシャ神話では、グレゴリオ暦の5月の名前となった春の女神”マイア”に
この花が捧げられていた。
ヨーロッパでは、中世から、心臓病に効く薬草として使われていた。

西洋サンザシ       サンザシ属 バラ科
Crataegus oxyacantha (又は laevigata) L.          俗名:5月の木

語源:ギリシャ語。 krataigos: サンザシ属の植物(crat: 力強い , aegus: もつ)
          oxus: 鋭い , akantha: トゲ

【薬効】
鎮痙・鎮静・催眠・血圧を下げるなどの効果がある。
この花は、神経性による心拍数の増加(頻拍)の時に、心臓の興奮状態を和らげ、
一般に、心臓のリズムを整えてくれる。
また、突発的な紅潮(ほてり)・いらいら・動機などを引き起こす更年期の症状にも効く。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に、ティスプーン1杯の花を。熱湯で5分おく。
    その後、花を取り出し、ハチミツで味付けを。1日に3杯、または、就寝前に1杯。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用を避ける。
高血圧・心臓病の人は、医師の判断の元、使用が必要。

2010年4月27日火曜日

クルマバソウ


とても心地よい香りを放つことで知られ、幾種かのタバコの香付けにも使われている。
葉が乾燥する時には、刈ったばかりの干し草の香りがする。

ドイツ・ベルギー・フランス・ルクセンブルグ・スイスなどの国のある地方では、5月になると伝統的なワイン
 ”マイトランク”を作るのが習慣。
白ワインに、この花を浸したもので、消化促進・利尿・強壮などの効果がある。

クルマバソウはアカネ科の植物。
アカネ科の植物は、染色に使われる植物でもあり、
このクルマバソウも根に赤い色素を含んでいる。

クルマバソウ
Asperula odorata L.( Galium odoratum L.)    俗名:森のスズラン、スイスのお茶

語源:ラテン語。  asper: きつい、激しい , odoratus: 香り

【薬効】
鎮静・消化促進・利尿・血行促進・強壮などの効果がある。
神経が高ぶったり・苛立ってる時、ストレスがたまっている時に、神経を和らげてくれる。
また、肝臓機能の促進・鎮痙・末梢血管強化・血液凝固抑制作用などもある。

血栓静脈炎・静脈瘤・胆道閉塞症・肝炎・黄疸・小児の不眠に内服。

【利用法】
〈お茶〉カップ1杯に、ティスプーン1杯の花。熱湯に10分浸す。その後、花を取り出し、ハチミツで味付けを。食間に1日3回。または就寝前に1杯。

〈料理〉花は、サラダ・デザートそして飲み物などに。
 
〈止血〉傷口の止血に、もんだ若葉を。

2010年4月23日金曜日

プルモナリア

プルモナリアの葉が、肺の胸膜に似ていることから、
肺・呼吸器系の疾患に効く薬草として知られる。
植物の形態・植生地などは、ある意味を持ち、
天地からのある種の啓示が隠されているという思想がある。
これを「特徴説」といい、類似学の一説で、16~17世紀のヨーロッパで盛んになった。

プルモナリア
Pulmonaria officinalis L.      俗名:肺に効くハーブ、イエルサレムのセージ

語源:ラテン語。 pulmo: 肺 , officinalis: 薬用の

【薬効】
収斂作用・利尿作用・発汗促進・呼吸器系疾患に効くなどの効果がある。
気管支炎・喉頭炎・咳・結核などの呼吸器系疾患に。
また、下痢にも有効。

【利用法】
〈お茶〉ティーカップ1杯に、スプーン1杯の葉。熱湯に10分蒸らす。
    その後、葉を取り出し、ハチミツで味付けを。1日に3杯。

〈料理〉花は、サラダや飲み物に。若葉は、サラダやスープに。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用避ける。
肌に触れると、皮膚がかぶれたり、アレルギーを起こすことがある。

2010年4月20日火曜日

ボリジ


砂糖菓子や飲み物に少し浮かべたりして、見ているだけで、この花の美しいブルーに魅了され、癒される。
コスメテッィク用品にもよく用いられているボリジ。
精神を高める効用もあると言われ、ボリジのシロップは、心を慰め、憂鬱を晴らし、取乱した又は気の狂った人を落ち着かせるという。

勇気の象徴としても扱われ、十字軍の兵士達は出征する時に、このボリジの花を浮かべた杯をかわしたという。

ボリジ        俗名:ミツバチのパン、牛の舌
語源: burra: 毛の多い衣服(毛の多い葉を指す)
またcor: 心臓 , ago: 追い立てる・動かす(この花に強心剤としての効用があることから)

【薬効】
美容・発汗促進・炎症を起こした組織を和らげる効果などがある。
かつては、咳・急性の経度の気管支炎を治療するのに使われていた。
美容として、老化防止などに利用されていて、肌を再生する力や乾燥肌・生気のない肌・疲れた肌に柔らかさ・弾力性・爽快感を与える。

【利用法】
〈料理〉生の花は、萼を取り、サラダやデザート・飲み物・砂糖菓子・ケーキなどに使う。
    若葉もサラダに利用できる。キュウリに似た香りがする。
    又、少し大きくなった葉は、フリッターにして鶏・魚料理のお供に。

〈お風呂〉葉の浸出液を浴用剤として利用する。
     肌をしっとりさせ、、むくんだ足を和らげる効果がある。

〈シロップ〉花のシロップは咳き止め・去痰に。

〈湿布〉する潰した葉は、打ち身・捻挫に。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用避ける。
アルカノイドを含むことから、肝臓に疾患のある人も使用避ける。

2010年4月16日金曜日

プロポリス

ミツバチ達の産物の1つであるプロポリス。
プロポリスは、ミツバチがコナラ・スモモ・トネリコ・ポプラ・ニレ・ヤナギ・カバの木・モミの木などといった木々の新芽や樹皮とミツバチが分泌する唾液性分泌物を混ぜて作られる。
このプロポリスは巣箱の入り口に蓄えられていて、伝染性の要因となるものから巣箱を殺菌して守ったり、侵入してくる虫達の死骸を防腐処理するために用いられている。
ミツバチは、なんといっても清潔好き!

プロポリス
Propolis

語源:ギリシャ語。 pro: 前に , polis: 都市・集合住宅地
プロポリスが巣箱の入り口に蓄えられていることから。

【薬効】
殺菌・免疫活性・傷薬・抗生物質などの効果がある。
免疫を強化する自然の抗生物質であり、消毒薬・殺菌剤である。
秋や冬の治療として、呼吸器系の疾患を防いだり、癒す効果がある。
プロポリスのポマードは、ケガ・ヤケド・切り傷に有効。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は医師の判断の元の使用が必要。
プロポリスにアレルギーを示す人もいる。
3週間を超える治療は行わない。

2010年4月14日水曜日

ロイヤルゼリー

ギリシャ神話に、アンブロシアというオリンピアの神々の食物で不老不死の霊薬がある。
古代ギリシャ人達は、アンブロシアにはロイヤルゼリーが含まれていると信じていた。

ロイアルゼリー          俗名:蜂の牛乳
語源:女王蜂が、生涯にわたって与えられる食物であることから。

【薬効】
食欲増進・活力剤・免疫活性などの効果がある。
精神的または身体的、そして知能的に活動を活性化する。
気分を良くし、ちょっとした憂鬱な感情を抑え、過剰な情動を減らす。
やる気や仕事への意欲といったものを強くする。
病後の回復期や疲労困憊した人などに活力を与える。
集中力や記憶力を高めてくれる。
免疫システムを強化し、冬の病気に対抗する。

病後の回復・疲労・ストレス・過労、そして学生の試験時期などに特に勧められる。

【摂り方】
基本的な摂り方として、春と秋の2週間摂取する。空腹時に(食前)。

≪注意≫
ロイヤルゼリーは、食欲を著しく増大させる。

2010年4月13日火曜日

ミツバチ花粉

何千年も前の昔より、人はミツバチ達が作り出す産物の治療的効果をうまく活用している。

ミツバチ達が忙しそうに働きだす姿を見かけるこの季節、春の賑いを大いに駆り立ててくれる。
ミツバチの働きは、花粉やハチミツ・プロポリスなどにとどまらず、地球上の顕花植物にもたらす影響は多大なもの。多くの植物の交配を助け、私達に偉大な産物を様々にもたらしてくれている。

花粉  
Granum pollinis

語源:ギリシャ語。  pale: 花粉


【薬効】
優れた栄養補助食品。
食欲増進・滋養剤・ミネラル&ビタミン補強剤・強壮剤であり、抗生物質を含む。

① 完全な栄養補給源
② 抗酸化作用
③ 体力回復・疲労改善(特に病気回復期の急速な体質強化)
④ 成人病予防
⑤ 前立腺炎・前立腺肥大予防改善
⑥ 大腸菌・特定サルモネラ菌に対し有効に作用する抗生物質
⑦ 血中ヘモグロビンの増加(病人・特に小児の貧血症に)
⑧ 整腸効果
⑨ 強精作用
⑩ 糖尿病改善
⑪ 更年期症候群
⑫ 食欲不振→食欲増進
⑬ 体重減退・虚弱症
⑭ 放射線障害(ガン治療による)
⑮ 月経困難症・不妊症
⑯ 皮膚疾患
⑰ 高脂血症・高血圧症
⑱ 関節リューマチ
⑲ 抗腫瘍作用(腫瘍発生抑制・腫瘍発育防止・化学療法の副作用を軽減など)
⑳ 免疫力賦活化作用(白血球数増加・風邪にかかる頻度の低下)

以上の花粉の効果は、臨床実験で行われた上記の疾患を含め、“心理的に幸福感を与える作用”もあり、こうしたこと全般を含め、『全般的な活力の増強』という効果がある。

【摂り方】
朝:大人スプーン1杯(子供半分)をそのままどうぞ。
そのままでは食べにくい場合は、ヨーグルトやサラダ・ジャム・ミルク・コーヒーなどに入れ召し上がれ。

基本的な摂り方としては、春と秋の2回の3カ月摂取する。
毎日、摂る場合も問題はない。

≪注意≫
ミツバチによる産物にアレルギーのある人。

[おまけ]
花粉によって引き起こされる花粉症は、風媒花粉によるもの。ミツバチによる虫を媒体とした虫媒花粉は、栄養的にも治療的にも優れた特質をもつ。

2010年4月3日土曜日

カラクサケマン


欧州原産の1年草。
ヨーロッパでは、よく道端・畑・庭などによく生えている雑草の1つ。
古代より、肝臓に良い効果があることで知られている。
花の咲き始めに、地上部全体を刈り取り、束にして吊るし、日陰で乾燥させ利用する。

カラクサケマン
Fumaria officinalis L.            俗名:黄疸に効くハーブ

語源:ラテン語。   
fumus terrae: 土から立ち上る煙・水蒸気・もや(のようなものを連想させることから)

【薬効】
胆汁の分泌&排出を促進・浄化作用などの効果がある。
肝臓・胆嚢の機能を改善し、利尿作用・緩化作用・消炎作用もある。
皮膚疾患(湿疹・皮膚炎など)にも内用・外用共に利用される。
外用として、結膜炎に有効。

【利用法】  地上部全体を利用
〈お茶〉コップ1杯に対し、ティースプーン1杯の地上部を。熱湯に15分。
その後、植物を取り出し、ハチミツで味付けを。
1日に2杯。食前に。服用は1カ月に1週間。

≪注意≫
妊婦・授乳中の女性・幼児は使用避ける。
過剰摂取、また8日以上の摂取は、眠気・赤血球の破壊・やせすぎなどの支障を引き起こす。
また、赤ワイン・タンニンとの服用は避ける。